780話 おうた配信終了と、楽曲提供者
歌を終え息を吐く。
まあ、89点かな?
途中一瞬ブレス音が入った気がしたし…残念ッ!
フィラさんを見ると泣いていた。
そしてコメント欄を見ると…ただひたすらごめんなさいの文字が流れている。
いや僕に謝られてもねぇ!?
今、ほぼ確実に「一度も神聖職を馬鹿にしたことのない者」もしくは「心から詫び改心している者」のみがなんとかまともに配信を視聴できていると思う。
外国語コメントも日本語に変換されているけど、時折タイプミスが散見されているのでかなり動揺が激しい状態かなぁ?
「フィラさんフィラさん。ここであのお蔵入りになった巫女にゃんこ奉納歌流したらどうなるんでしょうかね?」
「見た人全員罪悪感で死に絶えるわ。絶対」
そっかー…じゃああれはそのままお蔵入りという事で。
「でもこの歌、本当に誰が作ったんだろう恐らく身内の犯行だと思うんだけど」
僕と親しい間柄もしくは僕の事をよく知っている人間…で芸達者となると、かなり絞られる。
言えることは文章センスのないアレの犯行ではない。
こういったモノを書きたがらない兄さんでもない。
確実に言えるのはこれだけ。
うん。さっぱりだ!
「…考えても仕方ないかな。あと、なんか地味~に神聖職者もダメージ受けているのはどうしてなんだろうね」
「いや、そりゃあねぇ…これだけ尽くしている神聖職者だったと知ったら恥ずかしくなると思う」
ぇえー?
配信を終えお夕飯の準備をしていたら佑那が戻って来た。
「お帰り。もう1講なかった?」
「兄さんの配信で中止になった」
「は?」
そんな流れ弾は受け付けませんが?
「私とかはッシャ!その選曲感謝!って感じだったけど、周り大号泣と謝罪の嵐で授業にならないならない。大学側が臨時休校宣言を出して皆を強制的に学外に追い出したの」
「いやそもそも何故講義中なのに配信を見る?」
「なんかバフ掛からないかなーという邪な思い?まあそれもまとめて浄化されたみたいだけど」
ニヤリと笑う佑那に闇深さを感じた。
「あの曲、佑那が関与している?」
「うん。有志6名で何とか形にして投稿したの」
6名…えっ?6?
「有志6名?佑那そんなに友達いたっけ?」
「地味に酷くない!?」
だって佑那の友達…3~4人でしょ?
といったら泣きそうだなぁ。
「自信を持って友達だと言える人が少ないんだね、佑那」
「なんでそんな透き通った笑顔なんですか!好きですけど!大好きですけど!」
吠える佑那。
まあ、残りは紅葉さんと静留さんだろうな…僕含めた神聖職者の声と称し僕に皆を罰してもらおうと考えた結果なんだろう。
「ダンジョン側に対しての宣戦布告も兼ねているかな?」
「───兄さんには分かりますか。こちらを引き締め、相手にはこちらが分かっていると見せつける狙いもありますあと…」
ジッと僕を見る。
「もしあの縁切り親が見ているのならその回りがダメージを受けるようにと」
「それは静留さんの狙いでしょ」
静留さん、ガチで反神聖職者を憎みすぎじゃないですか?
「身内に甘すぎる性格直した方が良いと思うんだけどなぁ…」
「静留さんが例外的に激甘なの、兄さん達だけですからね?」
…えっ?
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