777話 兄さん別戦線へ移動…
どうやら兄さんが向かおうとしている所には時差が存在するらしい。
時差と言っても地球のような時差ではなく地球の1日があちらの世界の~という代物らしい。
「今まで一番ありがたかったのはあちらのおよそ半年がこちらの3日だったことだが…今回はこちらの1日はあちらの3時間、下手をすると週単位どころか月単位でこちらに戻ってこられない可能性がある」
そう言われハッとする。
これまで兄さんという抑止力があったから抑える頃が出来ていたものが沢山ある。
それらが暴走する可能性もあるという…いやでもいくら何でも上の世界の神様方が暴走なんて(フラグ建築)。
「まあ、何かあったとしてもいくつか準備はしてあるから普段通りにしていろ。ただ、アイツに関しては」
「もしお父さんに会ったら一度話を聞いてみるよ」
「遭わないようにしろ。と言っても無理だからな…お前の好きにしろ。ただ、その手札を切るためにアイツは軽い無茶をするだろうし、こちらにも被害が出る。
その事だけは忘れるなよ?」
「うん」
「うちの式神連中は置いていく。自宅警備1人と国内見廻りに2人派遣しているが…見ただろ?」
「2人は見た覚えあるけど…」
「…あー、恐らく自宅警備の方だな。もしあちらに行ったら顔を見せてやってくれ。
4人以上のいると逃げる癖があるが、防衛にかけては随一だし時空間転移等も得意としている。あちらはお前のことを一方的に知っているから問題は無い」
2人で国内見廻りというワードって…なんか凄いよね。
「見廻り組は路銀が尽きたり不味い物食ったら確実にここに戻ってくるだろうから何か食べ物を食わせてやってくれ。それと奴等の路銀だ」
そう言って兄さんは札束の入った紙袋を渡してきた。
「……多すぎない?」
「あの2人のことだ。増やしたり減らしたりしながら各地を回っているだろうが、もしかするととんでもない事しでかしてくるかも知れない」
怖い事言わないでくれないかなぁ!?
「悪い事はしないだろうが、建物倒壊等は普通にするだろうな。一応壊すなら周辺に迷惑の掛からないような廃ビル等をしろとは言っているし、バレないよう戦った妖怪などの仕業にするようにと言ってある」
「聖者職だった人がそんな事言っちゃ駄目でしょ!」
「いや、戦った妖怪達の仕業だろ。戦闘の責任までこっちに回されてもなぁ?」
うわぁ…開き直ってるぅ…
「人的被害は出すなとキツく言ってあるから…頼んだぞ?」
「もし足りなかったら僕が出しておくよ」
「足りなければ廣瀬氏に言え。俺の関係会社経由で支払が行くはずだ」
「このご時世で会社大丈夫なの?」
「ああ。かなりの売上と食料自給率に貢献しているらしいぞ?」
えっ?
「兄さん、本当にどれだけの会社経営しているの?」
「経営というか、関わっている程度だぞ?俺が居なくても動いているしな。直接は5社になったか…関係やグループは前に聞いたときは17社だな」
兄さん、実は富豪じゃないのかな?
「まあ、そっちに迷惑行かないようになっている。と言うわけであとは頼んだぞ?」
「兄さん待って…保存食持っていって!」
「あるのか?」
「勿論。何が起きているのかも分からないなら食事も用意しないと」
僕は手持ちの調理済み食料の大半を兄さんに渡した。
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