763話 佑那、安らかに…
犯人はやっぱり侵入と同時に取り押さえられていたらしい。
と言うよりも隠れて待ち構えていた
ぬらりひょんって単一妖怪じゃないの?悪戯で神に喧嘩を売った形になるとは思わなかったとか子どもでも言わないよ?
ラヴィ姉さんが言うにはせお姉様が「八雷神バトルか兄者120分説法(物理)か選ばせたら前者をすぐに選んだよ」と言っていたと苦笑していた。
即死か、フルコースの後地獄煉獄落としって分かってたのかなぁ…
えー、現在佑那は兄さんのお説教を受けております。
見抜けず接近を許したことが大問題だと。
佑那としてもリストバンドがあるからと気の緩みがあったと反省しているが…やっぱり一番の問題は敵意害意に対して反応できていないことと、神兵さん達をこちらに全員回したことが問題だという事になった。
一応、神兵さん達も何かあればすぐに佑那の元へ転移できるらしい。
ただ、今回は敵意もなく害意もただ軽く利用しようというレベルだったようで反応していなかったらしい。
「もし転移対策を取られていたらどうする?」
そう言われ神兵さん達は項垂れていました。
一応最初はそれを訴えている人が数名いたらしい…けど、佑那が要らないと突っぱねたらしい。ピンチになったら来て!と。
佑那さん。大人しく怒られておいてください。
プリン含めいくつか作り置きをしてさてそろそろ寝る時間?と思っていたら職場の番号で電話が掛かってきた。
「はい、岩崎です」
『岩崎、業務連絡だ。明日は出勤はしなくて良い』
その電話は課長からだった。
しかも出勤しなくて良いなんて電話だ。気にならないわけがない。
「えっ?休みですか…何かあったんですか?」
『ああ。中央本部問題の流れ弾がうちにも来た。一斉に監査が入るらしいから管理職以外は自宅待機だ。ただお前さんは神様関連で色々あるから普段通りで構わない。休みと思っていてくれ』
「何か済みません…」
『まあ、こちらも叩けばいくらでも埃が出る。悪い事と言えば残業しまくったりさせまくったことだろうな』
そう笑う課長の声がなんか疲れている。
「課長、無理しないでくださいね?」
『…善処する』
その後二言、三言会話をして通話を終える。
「明日休みと聞いて!」
ガサガサと匍匐前進で佑那がやってきた。
…足がしびれているんだろうけど、突っ込まないでおこう。
「佑那…そんなに近くなかったと思うけど、聞こえてた?」
「休みと済みませんという言葉から連想したんだけど、当たり?」
「基本自宅待機。なんか、協会中央本部の流れ弾で監査が入るらしいから管理職以外は自宅待機だって」
「ふーん…んぅ゛ぅ゛ぅ゛っ!!?ちょ、結羽人兄さん!?足は、足はお止めになって!?」
「匍匐前進なんぞし始めるからだ。マイヤ、やれ」
『足のシビシビは沢山触ったら治るって!』
「の゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛っ゛っ゛!いだだだだだだだだ!?兄さん!?湧泉踏んで固定しちゃだめぇぇぇっ!」
うん。他所様には見せられない姿だね…佑那、安らかに。
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