746話 みんながみんな家族


「ふむ…これはこれで美味いな」

「あの笹にはこういった使い方もあるのか」

 ジャンヌさんが板額さんに捕まっていなくなったと思ったら白城さんとメリアさんがスタジオにやってきた。

 2人にはエナドリジンを出すと少し驚きながらも美味しそうに飲み始めた。


『巫女様紹介プリーズ』

『神様?タイムさんって使い魔だっけ?』

『えっ?何処情報?』

『登場人物が3人超えると人の名前を覚えきれないのよ』

『いやそれどうなんだ!?』


「あー…タイムさんは使い魔契約した異世界の魔人?さんで、フィラさんはリリートゥで同じく契約した使い魔です。白城さんとメリアさんは僕のスキル『救命師団召喚』で召喚した司令武官さんです。みんな僕の大切な家族ですよ」


『ハーレムだ!』

『巫女様は滅茶苦茶溺愛されているに違いない!』

『フィラさんってサキュバス?リリス?えっ!?』

『美女と美少女!?よりどりみどりで羨ましいですよ!?』


「───なんだろう、これが普通の反応、なのか?」

「コメントが普通の反応だな。救援に行った先でもそうだったが、人の胸ばかりジロジロ見る奴とか、本当に…」

 メリアさんがため息を吐いてクッと一気に飲んだ。

「マスター、ウイスキーロックで」

 あ、なんか地雷を自分で踏んだっぽい。

 僕はソッとお高めのウイスキーをロックで出した。

「胸…うん一応、ある方だとは思うが」

 白城さんが自身の胸を見ている。

「師匠師匠、自分も胸はある方ッスよね!?」

「僕にそれ聞く!?大丈夫。タイムさんはタイムさんにあったお胸だから」

「魅力的ッスか?」

「うん。そうだね」

「良かったッス」

「あの、私は…?」

「白城さんも綺麗なバランスの体じゃないですか。とても魅力的ですよ?」

「「………」」

 あっ、フィラさんとメリアさんがジッとこっち見てるぅ…


『巫女様、そう言う所やぞ?』

『巫女様らしいと言えばらしいけど』

『巫女様女性に興味あるの?』

『巫女様は兄者さんにしか興味ない気がしてきた』


「いや、僕も人並み?には女性は気になりますからね!?皆美人さんですし!」

「でも「うわぁ美人さんだー」とか「お胸が当たってる!」程度なんですよねぇ…」

 まさかのフィラさんからの口!?

「カルーアミルクモドキおかわりッス!」

「では私は…針葉樹林を」

 グリーンティー・リキュールはお菓子作りにちょこっと使っていたからあったような…あった。

 タイムさんの分、カルーアミルクモドキを手早く作り、白城さんリクエストの針葉樹林を用意する。

「どうぞ」

「あざッス!」

「…注文しておいて言うのもなんですが、あったのですね」

 驚く白城さんに苦笑しながら頷く。

「ゆっきー」

 ハヴァスターイ様がちょっとおどおどしながらスタジオにやってきた。

「ハヴァスターイ様も飲みますか?そのお姿の場合は流石にソフトドリンクですが」

「ん。謝りにきたの」

「謝る必要はありませんよ。僕のために怒ってくれたんですよね?そして死者は出なかったのですから」

「ハヴァ様、これ美味いッスよ!」

「ん私も甘いの飲む」


『幼女神様がごめんなさい言いにくるの尊過ぎん?』

『知ってたか?これでも邪神なんだぜ?』

『邪神…え?邪神?』

『異世界のな?』

『異世界は尊いのが邪と?』

『閃いた』

『通報した』

『止めろよ相棒、ガチで銃口を向けるのは』

『知り合い同士がここに書き込みながら何をしているんだよw』


 うーん、コメント欄も含めカオス。


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