747話 異界の彼方へ
配信を終え、一息吐く。
ハヴァスターイ様は激甘カフェがお気に入りのようでおかわりをしていた。
そこまでお気に入りならこれでシャーベットとか作ったら…お腹壊しそうだな。
うん。保留で。
良い子な邪幼女神様可愛い───邪神とは?
お夕飯の準備をしていると、会社用のスマートフォンが鳴った。
「はい。岩崎です」
『───』
ザザッとノイズが酷い。
ただ、ここは神域経由の箱庭神域だ。変なモノを弾くはず…ならばこれは?
そう思って相手を見る。
巽さんだった。
「どうしたんですか?」
『───て、く』
「もしもし?」
そう言いながらタイムさんを呼ぶ。
タイムさんは小さく頷くと姿を消した。
「脱出不能状態なんですか?それともリストバンドが…」
『──、キャッチッス!』
ブツリと、通話が切れた。今のは間違いなくタイムさんだ。
「ただいまーッス!回収して1階に置いてきたッス!」
何事もなくタイムさんが戻ってきた。
「お帰りなさい。ありがとうタイムさん。でも、何処にいたの?」
「狭間ッス。界と界の狭間で結界に守られていたんスけど…あれ、絶対師匠を呼び込むための生き餌ッスよ。しかもあんな空間にいける奴はそんなにいないッス」
いくら結界があってもそんな空間に長らく閉じ込められたら間違いなく死んでしまうからね。
「よし、タイムさんにはご褒美として特製プリンを1個あげよう」
「マジッスか!?やったッス!ハヴァ様の眼の前で食べるッス!」
タイムさん、実はハヴァスターイ様の事、少し恨んでるでしょ…
お夕飯を終えて一息吐く。
タイムさんにはプリンをあげたあと、念のためにエナドリ味のゼリーとカフェオレかんを作っていた所、タイムさんが半泣きで戻って来た。
いや、目の前で見せるように食べたらそりゃあ奪うでしょうよ。
でもハヴァスターイ様は半分食べたのを見計らって奪ったようだ。
容赦なく奪い合うゆる姉様達と比べて優しい。
「はいはい泣いてないで皆とエナドリゼリーとカフェオレかん食べるよー」
「ふあ!?師匠それいつの間に!?」
「タイムさんが不穏なこと言ったから念のために作った」
「師匠女神…マジ神ッス!」
「今女神言わなかった?…まあ、訂正したから良いけど」
各56個切り分けて2個ずつ器に入れていく。
そして中央に大さじ1杯程度のアイスクリンを盛り付けて完了。
「神兵さん達と白城さん達呼んできてー」
『「「りょうかいっ!」」』
…メリアさんもそうだけど、マイヤ、いつの間に…
数分と経たずに皆集合したのでデザートタイム。
リムネーとラヴィ姉さん、そして廣瀬さんの分は既にメッセージに添付して送ってある。
「ふおおおおおおおっっ!?これは大勝利の味!?」
「カフェとアイスのタッグ強過ぎん!?」
「エナドリ愛好者としては、最後に取っておくべきですか…」
「ああ、なくなっちゃった…」
『パパ、これ、すぐ作れるの?』
皆の反応が凄まじい。
お手軽なだけに…いや、カフェオレかんだけはちょっと難しいんだけど。
「マイヤ、エナドリゼリーとアイスクリンは簡単だよ」
『マイヤ作り方覚える!』
うん。マイヤは向上心のある良い子だね!
…マイヤ、エナドリ中毒者じゃないよね?信じるよ?
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