744話 友紀のしるし
隣のスタジオに入ると、少し照明を落とした室内にバーカウンターが設置されており、椅子が6脚のみ用意されていた。
───カウンター内部の高さが少し高めに調整されている辺り、タイムさんの優しさが目にしみる…
「衣装もそれっぽく───」
「上半身は素肌にベストを!下半身は黒のショートパンツと黒のハイソックスとエナメルブーづぅっ!?」
「暴走が過ぎるぞ。そういったリクエストは
あっ、兄さん。
「おかえり?」
「いや、すぐに戻る。経過観察に来ただけだ」
「そっかぁ…」
「……一杯飲む時間位はある」
「!じゃあ作るね!」
『巫女様のニパァは、万物を癒やす!』
『合法ショタ巫女様のニパァは呪いを浄化する!』
『流れ弾的なものなのに効くのかw』
『あの、呪いの指輪が浄化されたんですが…え?マジ?』
『は?』
『は!?』
『え?マジで?』
えっと、えっと…ロンググラスに隈笹を入れて、氷を入れる。
『え?』
『待 っ て』
『笹?』
『笹飲ます!?』
『笹食ってる場合じゃないから飲ますと?』
そしてジンを入れて…おお、シュワシュワして溶けていった。
『もしかして、特殊な笹?』
『トンデモアイテムなの!?』
『しかも炭酸でてるし、黄色?色もついて…え?』
「はい!普通のエナドリ風味だからエナドリジン!」
「おー…40度のジンで割ったか…ウォッカじゃなかっただけ良いか」
兄さんはそう言いながら一口。
「…ふむ。割合的にもちょうど良いな。元々栄養補助と疲労軽減、内部損傷微回復機能があるだけに酔わないがアルコール感をよく感じて楽しめる」
「私も!私も下さい!」
脳天へのチョッピングライトから復活したジャンヌさんが希望してきたのでもう一つの笹を使う。
ロンググラスに稚児笹を入れ、炭酸水とジンを6:4の割合で入れる。
「ジャンヌさんどうぞ」
「戴きます」
おっかなびっくり一口。
「なんか、24時間戦えそうな味がします!あ、でもアルコール感少ない?」
少し驚いた顔のジャンヌさん。
流石に兄さんみたいにほぼ40度の物は飲ませませんよ?
ジャンヌさんのジンは37度。それを更に炭酸で割ったわけだからだいたい14~5度程度かな?
あと、24時間戦えそうな味って、どんな味?
『恐ろしい味だ…』
『黄色と黒な味なんだろうな』
『それはジャパニーズなビジネスマンの飲み物ですぜ!?』
『あれ?これってジャンヌ様興奮しませんか?』
『興奮しすぎて襲いかからない?』
「…美味しかった。じゃあ、半日後に」
兄さんが飲み終わり席を立つ。
「うん。兄さん行ってらっしゃい」
兄さんが転移で消え、ジャンヌさんの両サイドの席にタイムさんとフィラさんが座った。
「マスター、兄者さんと同じ物を」
「マスター!カルーアミルク?とかいう物をお願いするッス!」
「ちょ!?貴女達!?」
ジャンヌさんはどうやら両方から動きを封じられているようだ。
フィラさんには兄さんと同じ手法で作ったエナドリジンを出す。
タイムさんにはグラスに穏茶nextを1枚入れて氷を乗せ、軽くステアした後にホワイトリカーを注ぐ。
そうすれば極甘カフェのアルコール割りができるわけで…若干?違うけどカルーアコーヒーがないのでまあ、これで。
あと色が緑茶の色だけど味は確かだから!
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