743話 Bad Apples!?


 雑談している最中にゆる姉様から通信が入った。

『ゆーちゃん何かやらかした!?なんか大天使3名が祝杯挙げ始めたんだけど!?』

「いやあの今配信中なんですけど…何処の話しですか?」

『神国の表通りから一つ入った飲食店街で唯一オープンしている無国籍バルに居るんだけど…』

 唯一開いている店がそれってどうなの?

「えっ?なんでゆる姉様がそこにいるんです?」

『あっ、あの、私今からここでお昼ご飯を…』

 アワアワし出すゆる姉様。


『悲報:神国の立ち飲み屋にいるユグドラシル様、全世界に配信される』

『悲報:大天使3人、昼間から祝杯w』

『両方とも知りたくなかったw』

『エスプレッソ吹いたwww』


 バルって昼はランチ食べる事が出来たりするらしいけどさ、何でそこなの?

「………ラファエル様、ミカエル様、ガブリエル様のようです」

 えっ?

 ジャンヌさんを見る。

「ミカエル様に『祝杯は葡萄酒ですか?』とメッセージを送ったら、私はレモンチューハイ、ラファエルはウーロンハイ、ガブリエル様は緑茶ハイだそうです」

 oh…

 僕とジャンヌさんは顔を見合わせる。

「ジャンヌさん、五分だけ場繋ぎお願いできる?」

「えっ?はい。コメント読み上げて感想などを言えば良いですよね?」

「うん。そこら辺は任せるから」

「はい。大丈夫です」

「じゃ、ちょっと準備してくるね!」

 僕は急いで箱庭へと向かった。



 穏茶nextを数枚と隈笹、稚児笹も数枚取ってスタジオに入り、隣へ行く。

「タイムさん。ここってバーカウンターに変更できたっけ?」

「出来るッスよー何かするんスか?」

 不思議そうに首をかしげるタイムさん。

「僕らも昼から飲もうかなぁって」

 笑顔でそう言うとタイムさんが「すぐにセットするので隣で待機お願いするッス!」と僕を押し出した。

「あ、お帰り。四分位でしたけど、何の準備ですか?」

「これからジャンヌさん達と飲もうと思って」

「えっ?……私、19歳ですよ?」

「フランスの現行法では大丈夫ですよね?」

「ここ、日本ですよ?」

「ジャンヌさんは看做し20歳という事で!」


『巫女様ェ…』

『ジャッジ!』

『法的にと言った場合、ジャンヌ氏を人として良いのかなんですが…』

『無国籍の何か(19歳)』

『西暦1431年に19歳。そこで時間が止まっていると…』

『人では無く神兵とのことなので問題無いとのことです@巽』

『関係者様!?』


「あっ、巽さんなんかご免なさい。情報提供ありがとうございます」

「では私は19歳ですが飲めるという事で!」

 そこは意地でもこだわるんだ…でも、

「19歳より若く見えるんだけどなぁ…」

 そう口にするとジャンヌさんは口を尖らせて言い返してきた。

「その台詞はブーメランですよ?」

「僕は死にかけたあの日から年を取るのが遅くなってしまったからねぇ…」

 思わず苦笑する僕にジャンヌさんも苦笑した。

「どっちもどっちですね!」

「板額さんもそうだけど、皆若いですし!」

 僕とジャンヌさんはそう言って笑い合った。

「準備出来たッスよー!」

 あっ、タイムさんが呼んでる。

 僕とジャンヌさんはイソイソと隣のスタジオへと移動した。


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