700話 ようこそ!ヒミツの廣瀬氏秘話!?
「兄さん。箱庭で変化?出来るのはここに居る3名だけ?」
「いや、あと1名居るはずだが…」
「ちーくんはみつのかいしゅうしてるの」
幼女が兄さんにそう答えた。
「ちーくん…オス?」
「そこら辺は謎だな…「そのカタチ」をしているだけで雄雌の意味は無いからな。此奴らは」
幼女を抱き上げる兄さん。
───犯罪臭く見えない…だと?
親子に見えなくも無い。何よりも幼女が懐いているからなぁ…まあ、主だし。
「んしょ…ねーた…えっ?」
大きなリュックサックを担いだ幼児が来た。
まさか自宅で僕たちがお茶会しているとは思わなかったのだろう。
クリクリおめめを大きく見開いて僕たちを見る。
「とーたま!かーたま!まぁや!」
にぱあ!ってもう満面の笑顔で僕たちを…ん?
とーたまは多分兄さん。
まぁやは多分マイヤ。
かーたまは、僕?
ちょっと混乱している中、その幼児はリュックサックを降ろしてカートに入れると兄さんに抱きついてきた。
「ああ、男性タイプも居た…んっ?」
幼児を抱き上げそう言いかけ、首をかしげる。
「性別設定、なし?」
「あい!」
「必要無いよねってことでガワは性別ありっぽくしていますが、実際はないです」
年長さんの台詞に僕はなるほどと納得する。
「此奴らが人型になったわけだし…箱庭の重要箇所の警備を此奴らに変更して良いか?ヤツを周辺世界に放って情報収集とオフェンスに回したい」
「僕は問題無いけど…この子達を常駐にするという事?」
「ああ。8体を常駐組にする。あと1月は掛かると思うが、新たな使い魔を作成中だから此奴らの負担を減らせる」
「たいへんじゃないよ?」
幼児が兄さんにそう言うが、兄さんは苦笑しながら幼児の頭を撫でる。
「ここを守る重要性がドンドン増しているんだ。強くても1体だけというよりも少し力落ちしてもお前達の方が波状攻撃にもローテーション対応できるだろ?更には俺と連携が出来る」
あの式神とは連携できてないのか…いやそれ拙くない?
「元々こういった所ではスポットでしか使用不可だからな…そろそろ退屈してきそうだから引き取りに来た」
「…兄さん。実際は?」
「奇襲を受ける可能性を潰したからアレを引き上げる」
うわぁ…とんでもない事態になってるなら事前に言って欲しかった…
「ダンジョン勢力なら此奴らが良いんだが、神々となるとアレの方が良いからな」
『しゅーちゃん、ここが良いって言ってたよー』
マイヤがそんな事を言ってきた。
「何?アレはなんて言ってた?」
『酒は美味いし飯も美味い。のんびりとソロキャンプしながら動画見たりする生活サイコーって!』
「……廣瀬氏から解放された反動か…」
いや、廣瀬さん何やらかしたの!?
「そういえば、廣瀬氏は?」
『リムネーがね、廣瀬さん1人でお役所2つのお仕事まわしてるって!』
「………兄さん。ホントあの人どうなってるの?」
「知らん。国の事務を一人に任せる危険は分かっているが、下手に機械化された管理世界よりは有能だからなぁ…恐ろしい話をしよう。
中位世界で、機械管理のされた世界があったんだ。ヒトのような種の生体エネルギーを糧に世界を運営する機械仕掛けの神が統治する世界が。
そこに行った際、廣瀬氏が怒ってな…「こんな杜撰な管理とプランだとヒトの平均寿命が縮み、数千年以内には星の運営が立ち行かなくなる!」と」
「えええ…神様に対して?」
「ああ。その神としては平均寿命が減ろうが個体を増やせば問題無いと言ったが…そこで廣瀬氏は機械仕掛けの神に対してプレゼンを仕掛けた。
およそ10分の質疑応答の後、30分で資料を作り1時間プレゼンを行ったんだ。
更にその後神からの質疑応答に平然と答え、神は自身の計画に誤りがあったことを認めてしまった」
いや廣瀬さん何やってるのさ!?
「あの後、廣瀬氏をくれと煩かったなぁ…あの機械神」
兄さんの周り、とんでもないな!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます