685話 きんいろの雨
お団子は砂糖醤油と、こしあんと、粉砂糖ときなこ、みたらし甘味噌の4種で良いかな?
一気にお団子を作って、あっ、串が…
「どうぞ、串です」
「白城さんありがとう」
串40本かぁ…各10本だね。1本5個で…うん。餅粉1㎏あれば問題無いかな。
ああ、外で頑張る人達の分も白玉団子作らなきゃ…餅粉もう少し足そう。
一通り作成をしてプライベートボックスに…
───なんで皆こっち見るの?特に澤辺さんとマネージャーさん。
小さくため息を吐いて各4本、計16本を皆さんの前に出す。
今食堂に居るのは僕と白城さんを除けば15名。
「白城さん含め1本ずつどうぞ」
そう言うと神様方含め全員が一列に並んで串団子を受け取っていく。
いや、どうしてそう恭しく頭を下げて1本選び取るんですかねぇ!?
あの、泣きながら食べるのもやめてもらっても…確かに和菓子は極力作らないようにしていましたけど、していましたけど!
「そろそろかな?」
僕は片付けをして外へ出る。
エントランス前に立つ。
救命師団の皆がすぐに集まる。
「ありがとう。みんなお疲れ様!少ないけど皆で食べてください」
僕は砂糖醤油に軽くきなこをまぶしたお団子満載のボウルを先頭に居た護衛士官に渡す。
護衛士官はボウルを丁重に受け取り、敬礼する。
「周辺の奴は殲滅したのか?」
白城さんの問いに全員が頷く。
「よし、では任務終了。戻れ」
そう言うと全員マンションの中へと戻っていった。
まあ、僕の部屋経由で箱庭にいけるしね…
「あっ」
空気が変わった。
一気に清々しい空気になり、光の霧雨が降り注ぐ。
雨では無いけれど、柔らかな金色の光の雨がさっきまでの悪夢のような黒を跡形もなく流していくように思えた。
「板額がやってくれたようですね」
「まさか真っ先にこの周辺の結界が破壊されるとは思わなかったけど…」
「どこかからリソースを得て一部を使いこちらにぶつけたのでしょうね」
「じゃあ、これは限定的?」
「恐らくは。日本国内全域だとすればリソースが足りないかと思われます。結界破壊という意味でですが」
戦える人が足りなすぎる、かぁ…
「しかし、板額が手間取ったという事は、何かトラブルがあったのでしょうか」
「怪我とかしていないかなぁ…大丈夫かなぁ…」
「多少の怪我であれば自己回復できるでしょうし、我々は救命師団なのですが?」
「そうだったね。護衛お願いしたり防衛が多いから忘れがちだけど、救命専門だったよねぇ」
「忘れないようお願いします」
「はぁい」
「兄さん!あっ、居なくなってる」
白城さんと戯れていると、佑那がやってきた。
「佑那。どうしたの?」
「師団の皆が戻ってきたから来たんだけど…うん。迎えに行ってこようかなぁ」
「あ、念のため神兵連れて行ってよ?」
「了解。ジャンヌさんと買い食いしながら行こうかなぁ」
「そこは佑那の自由だけど、紅葉さんも一緒に買い食いしたら?」
「あー…そだね。私の背中から引っぺがす必要もあるし、うん」
まぁだ5人以上の人が周辺にいたら人酔いするのか…
「召喚!ジャンヌさん!」
「いえ、後ろに居るんですが…」
「もう、そこはヒュバッと現れないと!」
「後を追ってきたのになんという横暴…!」
「買い食いついでに送迎という素敵な任務があるんだけどなぁ」
「ささっ!行きましょう!私、抹茶アイスが食べたいです!」
「はははこやつめ」
うん。仲良きことは良い事だ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます