658話 有識者?と、まだまだ続く通貨問題


 とりあえず何人かに確認すべくまずは佑那に聞いてみよう。

「換金します!各種5枚、家10枚ほど!すぐに銀行へ行って有り金全部引き出してきますので肖像画の印刷お願いします!出来れば巫女にゃんこ、ウサみ巫女、巫女わんこ、子狐巫女、リムネーで!」

「Oh- NOヴォケッいっぺんブチますよッ」

「兄さん感情の無い顔と抑揚の無い棒読みトーン止めて!?」


 兄さんにメッセージを送ってみたら夕方一度戻ってくるらしい。

 なんだか仕事中なのに本当に申し訳ないよ…

「紅葉さんにも意見を求めようかな…」

 巽さんや伊都子さんに聞いたら恐らくロクデモナイ回答しか来ない気がするし…課長も佑那みたいな反応しそうだし…他に冷静な反応が出来る人で詳しい人…うーん。

 ……ん?今、怖い事に気が付いたぞ?

「ミツルギ姉様」

「なあに?」

「今1階ではチャージできるんだよね?」

「ええ」

「…もし1ユーエルヴェ400円ってなったら、現在1;1換金は拙くない?」

「ここの食堂の飲食やお酒の購入にしか使っていない現状だし、身内だから良いんじゃない?」

 超アバウト…っ!

 でも確かにそうなんだよなぁ…うん。

 日本の神様方は飲み食いできれば細かい事は気にしない。

 諸外国の神様は……あっ、ほぼ同じだ。

 結論。電子マネーは一般流通通貨の代わりにマンション内通貨扱いになっている気がする。

 ───まあ、いっか!

 僕は考える事を一時放棄した。


「貨幣に関してはユーロベースにすれば良いと思うのですが…ただ、この紙幣価値だけが別の意味で特化してしまいただの商品と化す可能性があります」

 休憩中の紅葉さんに確認するとそんな回答だった。

 あと、人見知りな紅葉さんだけにミツルギ姉様をもの凄い気にしている。

「だよねー」

 佑那が頷いてる。

「えっと、どうすれば良いの?」

「効果を半分まで落とせば良いかと。肖像画に関しては………………さっ、最高紙幣にリムネーさんの巫女姿とかは、如何でしょうか」

「「あー………」」

 ミツルギ姉様と佑那が納得する。

「でも、効果を半分まで落しても400万が200万にならないのかな?」

「価値的には半分以下になるはずです。前に護符の価格を確認したとき、1ヶ月保つ悪霊払いの護符に関しては1箇所4~50万円でしたので」

「……紅葉さんの自宅に貼っているのは?」

「あれを通常民生品と思わない方が良いと思います。それに入手先が特殊ですし」

「えっ?じゃあ民生品のお札ってどういうもの?」

「低級霊を寄せ付けない程度で一晩、8~12時間有効などが主ですね。神社の神職者が丹精込めて作り上げた方が効果は高いですけど…昔の何百倍することか」

 えええええ?

 佑那を見る。

 佑那は僕を見て頷く。

 だよね。だよね!?

「ゆーくん?」

「えっと、兄さんが呪符の書き方を習って僕たちに持たせていたときがあって…あの時は誰でも力があったら凄く効くお札作れるって思ったんだけど…」

「ゆーくん。君のお兄さんだから仕方ない」

「「「あー………」」」

 兄さんだから仕方ない。うん。

 結局第一案として効果を半減させると言う案のまま一時保留となってしまった。


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