656話 外交官擬きと、神国通貨
SIDE:友紀
さっきからスマートフォンのメールが凄い勢いで着信しているんだけど…
チラリと見ると協会のグループメールだった。
「兄さん、1階に大使さんが来ているって。書簡を持って」
えっ?僕神国と関係ないよ?
1階に降りると一人の男性が立っていた。
「あっ、どうも。探索者協会の岩崎と申します」
「これはご丁寧に、駐日合衆国大使のロバート・A・アンダーソンと申します」
互いに軽く会釈をする。
「急な来訪申し訳ありません。ただ、近隣諸国含め不穏な動きがあった事と、我が国に飛び火しそうな事がありましたので…」
そう言って僕にお高そうな革製のホルダーを渡してきた。
「では、私はこれで…」
そう言って大使さんは一礼し、去っていった。
えっ?いや早くない?
そんな事を思いながら僕はホルダーを開くとA4用紙5枚ほど報告書が入っていた。
「……あー、うん。そりゃあ慌てるよねぇ。神敵解除されたのにまた変に流れ弾受けて迷惑被りたくないだろうし」
今の時間からすると…深夜だろうし。
電話があった時間は日本時間で昼過ぎ。
…うん。この内容でたたき起こされたなら大統領はキレて良いと思う。
神国外交ルートが安定していないから日本政府及び僕経由で伝えたって訳かぁ…まあ、僕にも流れ弾が来そうだからと。
なんかもの凄い警戒されているなぁ…まあ、仕方ないだろうね。
僕はこれをラヴィ姉さんにメッセージと共に添付して送る。
───これらの行動って、普通外交官がすることじゃないのかなぁ?早く外交官置いて欲しいなぁ…
ちょこっと1階食堂に移動すると…呑兵衛神が昼から6名、酒盛りしていた。
須佐之男様は今回も捕まっている模様。
いやどうなんだろう。保護観察期間中って事かな?
でも酒盛りにまで付き合わされて…しかもお酒飲んでないっぽい。100%りんごジュースのんでるっぽいなぁ。
「澪ちゃん!7番テーブルにポテサラと七味、あと芋焼酎を!」
「はいっ!」
うわぁ…今日も大盛況だねぇ…
そっと食堂から離れる。
ちなみに7番テーブルのお客さんはスペイン大使館の人と見知らぬおじさんでした。
コンシェルジュさんの所へ行く。
「巫女様、如何なされましたか?」
「いえ、皆さん大丈夫かなぁ…と」
「はい。おかげさまで恙なく…持病も完治致しましたのでより一層職務に励みます」
「程々にお願いしますね?ああ、後食堂関連で出費とかは…」
「……一部の神様方が訪れる度に小判2~3枚で支払うので釣り銭を渡そうとした場合、取り置き宣言されるとの事ですが…それ以外は特に問題は無いかと」
小判払い…ピンキリで怖いけど、取り置きってなんだろう…あ。
「そっか。神国の通貨の話聞いてない」
「ああ、現在デジタル決済ですが、確かに必要かと思われます」
「えっ?デジタル決済!?」
「はい。食堂などでも使用可能です。こちらのISPカードでの支払が可能となっております」
「前に話があったやつが本格的に神国のデジタル通貨の一つになったんだ…」
新規国の強味と言えば良いのかな…凄いなぁ…
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