633話 職業&スキルと、息子or娘
特殊職:兵部卿
それが彼女、
ただ、この職業だから霊を見ることができるとかではなく先天的な見鬼であり巫女の流れである。
………ということは、彼女が巫女だった方が良いんじゃないのかぁ!?
「過剰引き籠もりは止めて外に出ないの?」
「外は怖いからヤ」
「敷地を符術結界で囲って、屋敷をスキルで封じて…どこまで防御しているのさ」
「これくらいして漸く鬼とか妖怪から身を守れるかなーって」
「過剰防衛なんだけど」
「えっ?」
「聖域結界となっているし。何時これやったの?」
「数日前にやってもらったんだ」
「おいくらの代物?」
そう聞くと紅葉さんは小首をかしげる。
「わかんない。カード渡しているから」
「をい?」
「無駄な買い物をしないし」
「いやそれでもね?」
「クレジットカードを渡しているわけじゃないよ?キャッシュカードだよ?」
「入出金くらいは見ようよ…」
「見ているよ?ネットで」
「…………」
どんだけ家から出たくないのさ…
「外に出たくないの?」
「出たくない」
「僕と一緒でも?」
「………一緒なら、手を繋いでなら、良いよ」
「本当にどんだけ怖いのさ」
「スキルでお化けも出るし」
「お化け?」
召喚スキルのことかな?
「うーん…一度僕の住むマンションに来る?」
状況次第、希望次第では神様に紅葉さんの見鬼を閉じてもらうというのもありだと思うし。
「マンションに連れ込まれ…何も起きないわけもなく…」
「で、どうするの?」
「行く!」
「あら、友ちゃんのお土産とお茶を持ってきたのだけど…」
もの凄いタイミングで美沙さんが部屋に入ってきた。
居間で美沙さんとのんびりとお茶を飲んでいると紅葉さんが降りて…ぇえー?
「oh勝負服…」
貴女の娘さんですよ?アレ。
「お母様、私、女になります!」
「えっ?男だったの?」
驚く美沙さん。
貴女の娘なんですから男かどうかは分かるでしょう?…いや、美沙さんだしなぁ…
「───実は男だった?」
「なんで2人揃ってそんな回答になるの!?」
「むしろその回答にしか行き着かないかと」
僕は頭を振る。
「あ、お二人に確認ですけど…見鬼の力は、不要ですか?」
「月ちゃんの見える力?無い方が良いのよね?」
「えっ?無いと凄く困る」
えっ?
「えっ!?」
美沙さんが無茶苦茶驚いている。
「だってこの眼でお金稼いでいるわけだし」
「そう…えっ?どれだけ稼いでいるの!?」
あれ?美沙さん?もしかして…知らなかったとか?
「えっと、年収3000万程…あっこれ税金引いてだからね!?」
「「………」」
僕と美沙さんは顔を見合わせる。
美沙さん、確実に知らなかったっぽい。
と、紅葉さんは少し不思議そうな顔をした。
「お母さんには生活管理口座の通帳、渡していたよね?」
「ええ。一度も見てないけど」
「えっ?なんで?」
「私も働いているわけだし、何時か貴女が必要な事があったらこれをそのまま渡そうと思って」
「……毎月、それに一定額振り分けているんだけど…」
「お母さん、この通帳を記帳しに行くの、もの凄く怖いんだけど…」
確かに。その一定額が幾らなのかによってもの凄く怖いだろうなぁ…
「…じゃあ、見鬼の力はそのままとして、職業スキルについての説明と練習のためにマンションに行くという事で」
そう言うと紅葉さんはあからさまに目を逸らした。
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