630話 お説教(意味深)と、人との繋がり(意味深)
「僕またラヴィ姉さんにお説教されちゃう!?」
「されておしまいなさい」
やだよ!
「ん~?呼んだ?」
僕の悲鳴を聞いたのかラヴィ姉さんがこちらにやってきた。
「ああ、ちょうど良い所に」
「や め て!」
「えっ?何事?」
「───最近神様スイッチガバガバじゃない?」
「神様スイッチって…」
僕は何か言おうとしたものの、
「んっ?」
「……あうっ…」
ラヴィ姉さんの圧に屈した。
ラヴィ姉さんのアルカイックスマイルが怖いですぅ…
「ちょっと奥の個室に行きましょうか」
ガシリと腕を掴まれた。
「えっ?ラヴィ姉さん?」
なんか、目が怖いんですけど?
「あれっ?私は?」
困惑している佑那を横目に僕は連行されていく。
「あの、ラヴィ姉さん?そこは押し入れで…」
「大丈夫大丈夫。遮音障壁張るから」
「えっ?狭くて暗い所でガン詰めですか!?」
「ええ。狭くて暗い所で…詰めるわ」
あの、そう言っている割には…目が捕食者っぽい感じが……
「さあ、その中に入って」
「えうううぅ…」
渋々押し入れの中へと入る。
そしてラヴィ姉さんも押し入れに入ってきて…押し入れのふすまが閉じられた。
「…押し入れの中でどんな説教をされたからそんな顔を真っ赤にして出てくるのよ」
「普通のお説教よ?ただ、抱きしめてなでなでしながら耳元で優しく諭しただけ」
正面から抱きつかれて20分優しくお説教。次に後ろから抱きつかれてまた20分程ねっとりとお説教されました。
「絶対お説教(意味深)じゃないの!」
「限度超えしたら防御機構が働くじゃない。この子に分かってもらうにはラインギリギリを攻めないと」
「その割にはツヤッツヤじゃない…」
「可愛すぎて可愛すぎて…ねぇ?」
「まあそれは同意どころの話じゃないわ」
同意しないで欲しい。
まあ、お説教の内容は人間性を失わないようにしなさいとか、元々の性格の件も含めて人との繋がりが希薄すぎるとか…友人を忘れないであげてとか…
「会いに行ってみようかなぁ…お休みだし」
「誰?彼女?」
「うん。友人…」
「え?香兄ィではなく?」
「ではなく」
「あー………え?会えるの?」
ラヴィ姉さんは気付いたのかかなり驚いた顔をした。
「えっ?えっ?」
「阿呆2号の引き籠もり」
「阿呆2号?………あー」
佑那の顔が引きつった。
「やれば出来る代表格なんだけどねぇ…」
どんだけ言われれいるんだ…否定できないけど。
「人との繋がりとして会いに行くにはハードモードすぎないかなぁ…と」
そもそも会えるかどうかも怪しいし。
「絶対に会えるから大丈夫」
「兄さんなら確実に会えるよね…ただ、身の危険はあると思うけど」
「貞操の危機ね」
ラヴィ姉さんも佑那もなんて事を言うんだ…
「でも、行くならお菓子をお土産に持っていった方が良いよね」
「まあ、それが良いと思うけど…逆効果の可能性も」
「失礼になるかも知れないけど、持っていかない方が良いと思うよ?」
姉さん…人との繋がりを持たせたいのか違うのか…あと佑那。どれだけ危険視しているのさ…
ただ2人揃って渋い顔をしているのは何とも言えないんだけど…
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