609話 フィットネス内容と、フィットネス戦闘


「あ、襲撃を受けているのは分かっているのよ?だってきた人達はうちの部隊が回収しているし」

「回収…」

「ますます兄さんに似てきたよ…」

「それは褒め言葉よ♪」

 静留さんは嬉しそうにそう言った。



 静留さんに家族へのお土産等を渡し、ショートボブの女性…式神さん?と共に帰っていった。

「静留さんだし、幾つか手札を隠し持っているよね…」

「…兄さん。静留さんは下のジム実践モードのノーマルをクリアできるの」

 え?

「えっ…マジで?」

「マジで」

「静留さん特殊部隊?」

「いやそこまでじゃないけど、第3ステージは40キロの装備をしたまま屋内戦は普通に出来るレベルよ」

「普通の定義」

「1対4で薄明かりの中こちらは逃げられるレベルの体力とダメージを残して制圧可能かどうか。制限時間が20分」

 いやそれ無理ゲー…

 だって第1から第3まで休憩時間は各5分だよ?

 第1ステージは合計40キロあるプロテクターと荷物を担いで荒地と山地3キロを1時間で移動する。

 この第1ステージは様子見ステージ。

 第2ステージはアップダウンと川とトラップのある10キロを2時間で踏破しなければならない。

 そして戦闘。

 うん。無理。

 遭遇戦バージョンとか笑えないよ?

 それをクリアしてるとか本気特殊部隊じゃないのかな?

「佑那はどこまでクリアしたの?」

「え?私?別メニューのバーサスアーミーモード」

 何それ。

「軍隊と戦うモード?」

「うん。だいたい6時間モードではじめは軽装で森林フィールドでのvs10人のゲリラ戦で、20分以内に倒さないと増援が12人来る。以降30分おきに12名の3セット戦闘するんだ」

 佑那は何を目指しているのか分からないよ…

「15分休憩後に市外遭遇戦。NPCを護衛しながら始めに20人と戦って、逃げながら更に30人と戦う。これは1時間から1時間半くらい」

「佑那が何を目指しているのか分からないよ…」

「私も結羽人兄さんが私を何にしようとしているのか分からないよ」

 いや、貴女が自分の目標を兄さんに言ったからそうやっているんだと思うんだ…

「で、15分休憩後最終モードでビル立てこもりの防衛戦でvs60名の武装勢力からの攻撃を防ぎつつ殲滅させる。制限時間2時間」

 佑那…絶対兄さんにとんでもない宣言したでしょ…

「因みに兄さんはスキルも何も使わずにノーダメージで突破してた」

 馬鹿じゃないの?

 そんな戦闘何時するのさ…兄さんじゃあるまいし。

「兄さん…何となくその顔で分かるからね?」

 じゃあ何故やった…

「佑那…結局どうだったの?」

「5回目でクリアしたよ」

「…やっぱり兄妹だよ.2人は」

「友紀兄さんも合わせての岩崎兄妹だよ!?」

 絶対に体の出来が違うと思います。

「私兄さんと超接近戦したら勝てないもん…」

「僕に格闘センスはありません!」

「スキルありだったら?」

「……無理。防衛は出来ても殲滅は出来ないよ」

 佑那が変な顔をする。

「兄さん。普通に殲滅できるじゃん」

「えっ?」

「無力化出来ればいいんだよ?できるしょ」

「無力化は出来るけど…無力化しても意味は無いでしょ?」

 首をかしげる僕に佑那は暫く考えるような素振りをし、

「…うん。兄さんはやっぱり岩崎家の人間だよ」

 なんで!?


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