606話 狙撃と、ネタバレ
まあ、課長は無傷なんですが。
外部からの攻撃と言うよりも仕掛けていた爆発物が爆発したようだ。
爆発と同時に課長は即座に身を低くして後方、このエントランスへ下がっている。
「爆発物はなかったはずだが…」
「武装解除はしていたんですよね?」
「ああ…まさかそれらの武器か!?…いやそれらは先に回収し、別の車に…」
僕への返答もそこそこに考え込む課長をそのままに僕はエントランスから歩道へと足を踏み出した。
「ああ、そう言うことか」
騒然となっている自衛隊の皆さんに怪我人はいないようだ。
爆発のあった所は…どうやら外壁部分に何かを貼り付けていたようだ。爆発は3箇所で起きていた。
歩道側にある花壇とエントランスを出たすぐ側、そしてエントランスを出て軒となった部分。
殺意高いなぁ…そして狙撃と。
防御機構舐めてませんかねぇ?
こちらに撃ち込まれた弾丸がそのまま狙撃者の元へと帰っていく。
「岩崎!?」
慌てて出てくる課長に僕は首をかしげる。
「タイムさんが狙撃者の元に跳んで捕縛をして戻って来ますので警察を呼んでください」
「待て待て!狙撃って!」
「課長、僕のスキルと、神具と、護衛と、防御機構を突破する攻撃なんてそうそう「万が一を考えてくれ!」
そう叫びながらも警官を呼びに行った。
「とりあえずグルグル巻きにしてきたッス」
タイムさんが2人程捕まえて戻って来た。右肩を撃ち抜かれた状態で呻いている人と元気よく僕を睨んでいる人。
僕そんなに恨み買うようなことしたかな?
……まあ、兄さんが各方面の組織に喧嘩を売ったから恨まれている可能性はあるけど…あとはダンジョン勢力かぁ…
余程ダンジョン側は焦っているのか、それとも。
「第三者経由の複数依頼かな」
僕の呟きに化け物を見るような目でこちらを見る二人。
失礼な人達だ。
「岩崎!」
警官2人を連れて課長がやってきた。
「課長、ありがとうございます。こちらが狙撃犯です。武器はこの2つですね」
「ご協力、感謝します!」
警察官はそう言って2人を引っ立てていった。
「…岩崎。頼むから自分から危険地帯に行くような真似は止めてくれ」
課長に注意される。けど、一応協会職員は危険地帯(ダンジョン)に行くことも有り得ると就業規則にあるんですけどね?
僕は運動能力がアレだったので基本内勤だっただけで…
完全契約外なのは事務補助という名の事務一切取り仕切る人達と料理人くらいだ。
───コック長は例外。あの人対人スペシャリストだし。
「あまり危険地帯には行こうと思いませんけど、状況が状況なので」
「お前が倒れたら全てアウトなんだぞ?」
「佑那と兄さんがいますし…それ以前に、人の力どころか下級邪神クラスでは僕のガードを突破できませんよ?」
「どういう事だ?」
「僕神になりましたし。少し前に」
「…………んっ?」
「僕、人ですけど、神になりました」
「んんんんっ!?」
「だからより一層防御面は強化されています」
「………うん。元々岩崎は巫女で神みたいな感じだったな。OK把握」
なんか課長が思考を止めた!?
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