605話 襲撃結果と、無差別攻撃
僕は聞かなかったことにして1階へと降りる。
エントランスには課長が立って回収している自衛隊員を見ていると言うよりも監視していた。
「課長?」
「ああ、岩崎か。どうした?」
「いえ、大丈夫かなぁと」
そう言うと視線を外に向ける課長に釣られて僕も見る。
自衛隊員と警察官が片っ端から捕まえて手錠を掛けていくのを見た。
46名を連行していったのを見届け、僕は首をかしげる。
「えっと…32名分のご遺体は…」
「えっ!?…ご遺体?」
「いえ、78名で上と下から侵入しようとしたらしいですよ?で、死者32名との事でしたが…」
そう言えば、ご遺体は何処なんだろうと考える。伊邪那美お母さんにメッセージを送る。
【32名のご遺体は屋上ですか?】
そーしん。
【母:だいれくと黄泉送りにしたので死体もないですよ】
「………だいれくと黄泉送り」
「えっ?」
「伊邪那美お母さんがだいれくと黄泉送りにしたそうです」
「え゛っ!?」
うん。その反応ですよねぇ…
「…恐らく屋上からの突入班だったんだろうな」
「そう言えば伊邪那美お母さんと天之御中主様が対応したらしいですが」
「………全滅した側の対応は伊邪那美様なんだろうな…」
そうとしか考えられないですよねぇ…
「まあ、結界を破るためにあんなことをしたら怒るだろうな…」
「あんなことって、穢れに関することですか?」
なんかそうアナウンスがあったし。
「ああ。動物の死骸をぶつけたり死にかけの動物を叩きつけたりしていたようだ」
「………人、なんですか?実は中身違うとか」
「洗脳状態のようだが、人だぞ」
洗脳状態?
「どういう事ですか?」
「…半数が洗脳状態で残りは通常だった。しかしまあ、既に退職をしている者もいるが全員汚職自衛官で指名手配等掛かっていた連中だ」
「……よく都内にこれだけ隠れていられましたね」
「それも含めての取り調べがこれから行われるわけだが…」
足かせ含めしっかりと封じられて連行されていくものの、まったく安心できない。
「自衛隊の暴走と騒がれますねぇ…」
「退職済みだと言ってもメディアは自身が叩かれている最中だけにこぞって政府を叩くだろうな…お前等岩崎散々叩いていただろうと突っ込みたいが」
課長課長。目が怖いです…
「奴等カメラ前で泣きながら土下座している所を介錯してやろうか」
「課長課長…殺気が溢れてます」
「ああ、済まない少し未来の事を考えてしまっていた」
───課長の中で未来は報道陣の首を介錯することなんですか…
「今回のこの件で少しでも分かったことはありませんか?」
「私の所には回ってきていないな。巽が現在警視庁へ出向いて確認しているが…」
あまり思わしくないんだろうなぁ…普通巽さんなら電話ですぐに確認取るし。
「襲撃は今日、明日様子見だろうな」
「何事もなく出勤して通常通りしていれば良いんですね」
「ああ。頼む」
「明日も通常通り出勤という事で」
「ああ。それで頼む」
そう言って課長がエントランスから出ていき───付近が爆発炎上した。
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