602話 耳コピと、即興再現率と
「ゲワイをワンフレーズだけってのは寂しいけど権利関係もあるし、ああ、でもこれだったら…」
ちょっと目を閉じて曲の脳内再生を行う。
「~~~~♪」
脳内で再生される曲にあわせて指を走らせる。
「「えっ?」」
旋律に会わせて歌う。巫女にゃんこ奉納歌を。
「兄さん。兄さんが変態的な才能を持っていることはじゅうううううううぶんに分かりました。ただ、今、この時に、することはないんじゃないかなぁと妹は心から思うのですよ」
何故僕は椅子の上で正座しているんだろう。
何故怒られているのかが分からない。
静留さんも少し呆れた顔しているし…
『…うん。巫女様が常識の外にいるのは良く分かった』
『やらせと言われても信じられないわな』
『普通やらせを疑うのにw』
『曲スゲェ。亡霊騎士が膝を着いて剣を両手で差し出しているんですけど!?』
『ちょw』
『対処困るw』
『巫女様やらかすw』
「ほら、兄さんがやらかすから…」
「僕のせいなの!?えっと、「忠義不要、ただ罪無き民衆のために戦え」とでも言ってください」
「うわ、結羽人兄さんが言いそう」
「結羽人さん、言いそうですね」
『巫女様の声を聞いて膝を着いたまま一歩下がって頷くと去っていきました!』
『ええええ?』
『話せばわかるやつもいるんやな…』
『当方飯屋。半年前に居着いた野良犬に餌をあげ続けていたらその犬は妖怪だった』
『なんか強者いた!?』
『
『どんだけカオスなんだ!?』
「えっと、静留さんヴァイオリンの弾き方と、音を教えてもらえれば…一通り見て覚えます」
「チューニングと音階から説明するけど…」
静留さんの説明を聞きながら頭の中でまとめる。
構造的には…うん。音階は…あー、うーん…テクニック上弾きたい曲が結構限られるなぁ…
40分ほどでざっくりとした説明と簡単な弾き方を習った。
「───大まかにはこんな感じね」
「静留さんありがとうございます。Amazing Graceが練習曲としてちょうど良いんですね」
「少し賛否あるけどね」
「練習曲にしては…ちょっと難易度高くない?」
「ゆっくりでも出来るから」
「いやそれでもどうなんだろう…まあ兄さんなら」
「佑那のその信頼度は何なんだろう」
「うちの兄2人はトンデモ生命体だから…」
「人間ですらない、だと?…悲しみでお夕飯の量が減るかも知れない」
「友紀お兄様はとても愛らしく家事芸能に優れたお兄様です」
「おきのどくですが ゆうなのかつは きえてしまいました」
「なんでえええええっ!?」
「うわ、しかも真顔で…」
静留さん。この愚妹はナチュラルに僕の逆鱗に触れるどころか叩いてくるんですよ…
誰が愛らしくて家事芸能に優れてるのさ。
「まったく…」
『何故巫女様が怒っているのか理解が出来ない』
『その通り、だよなぁ?』
『それ以外追加することはあっても引くことはないよね』
『同意以外ないだろ』
『解釈完全一致』
『本人以外全員が認めるという事実』
「…佑那は今日、白米のみ」
「何でえええええええーーーーー!」
口は災いの門と言う言葉をしっかり刻め。
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