565話 箱庭確認と、管理凍結(泣)
スフレパンケーキは無事に無くなりました。
ラヴィお姉さんが泣きながら食べていました。
僕はのんびりと和菓子を食べる。
ああ、お茶が欲しい…
「ほら、お茶だ」
「ありがとう兄さん…いつの間に準備を?」
「お前が自分の分を用意していないのを見てな」
流石兄さん。それで緑茶を用意する意味が分からない。
あっ…佑那の分作ってない…まあ、いっか。
ちょっとだけって、なんだろうね?
僕がこの世界がどうなっているのか分からないと言ったら、兄さんは首をかしげながら資料をくれた。
兄さんから渡された資料にあった箱庭の外からの写真を見て思わず呟いた。
広いですやん…豊田市くらい?920㎢あるらしいから。
少しじゃ無い。全然少しじゃないっ!
『あれ~?』
『更に広がっていますね…』
「えっ?」
マイヤ達が来たので見せたらこの反応だった。
「更に広がってるの?」
『はい。ただ、神気の濃度はまったく薄まっていないので問題はありません』
『でも、外周部分は全部草原なんだ~』
2人が不思議そうに資料を見ていると、
「管理者権限で移動させれば良いだろ」
『『「えっ?」』』
何それ知らないよ?
「今この神気濃度であれば色々弄ることができる。山や森をユニットと思って動かすことも出来るが…重要箇所に関しては動かすのは勧められない」
ああ、あの源泉かな?
じゃあ、源泉と川は動かさずに…汽水湖と林を少しずらせば家の周りがもう少し広くなるかな?
「兄さん、どうやって移動させるの?」
「───そもそも見ること以前に基本すら知らない状態だったのか…」
大きなため息を吐かれた。
石長比売様はラヴィお姉さんにネットの使い方や現代社会についてレクチャーしているので…ミツルギ姉様に教えてもらうことにしました!
兄さんに聞いたら箱庭世界の基礎情報を抽出しようとしたから慌てて止めた。
知らないと言われる方がまだマシだった…兄さんナチュラルにこの世界改竄できるのかぁ…色々権限渡しちゃってるしなぁ…
「管理者権限を持つ者が望めばマップが自動で現れて、色々できますよ?」
ミツルギ姉様に不思議そうな顔でそう言われてしまった。
「…でる?」
『『(フルフル)』』
マイヤ達は首を横に振る。
「んんっ?…いやそんなはずはないんですけど…?」
ミツルギ姉様が困惑している。
あれ?僕、なんかやっちゃいました?何か悪い意味で。
「友紀。お前、権限凍結されているんだが?」
世界の情報をジッと見ていた兄さんが少し険しい顔でそんな事を言ってきた。
「はい!?」
ここ乗っ取られたの!?
「……あー…マイヤとリムネー、代理権限立ち上げてみろ」
『『?』』
「そこからか…Es,sel……………………よし、2人とも副管理者権限起動と言ってみろ」
『『副管理者権限起動』』
あ、なんか2人の前にスクリーンが出た。
「それでこの世界のことが分かる。そして友紀が設置して保護期間が過ぎたものの移動、追加、削除等が出来る」
「いや、そんな事よりもゆーくんの権限凍結とは!?」
「恐らく魂の分解と再構成の際に外れたんだろうな…ただ、ややこしいのは外れているのに外れていないという状態なんだ。デッドロックに近いが…意味的に笑えねぇ…」
「何とかなるの?」
「出来るが、法的に一度本部に連絡しないとマズイ」
「「えっ…?」」
僕とミツルギ姉様の声が被った。
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