564話 配信テロと、スイーツテロ
軽く一眠りして目を覚ますと、完全にロックされていました。
姉と2人の娘に。
幸せそうに眠っているので起こせない…仕方ないからともう一眠り。
…はしません。
「みんな起きているし。ほらほら退いてくださいな」
そう言うとマイヤ以外はちょっと不満げな様子で退いてくれた。
マイヤは…うん。起き上がったら肩へ移動して座ったし。
さて、おやつ作成配信しますかぁ…
「パンケーキ作るにゃん♪」
あざと可愛いポーズと共にバチコーンとウインクする。
『 』
『 』
『鼻血が止まらない』
『ナンデソンナニカワイイノ?』
『にゃん☆』
『巫女にゃんこが作るパンケーキにゃん』
「…はい。と言うわけで、ちょっと手間とコツは要りますが、スフレパンケーキ作りますよー」
ノルマ達成したので通常モードで調理を開始します。
『落差w』
『巫女様スンッってなったw』
『そうやれって指示あったんだなw』
『巫女様のその役者魂凄いw』
本当にね?
まあ、タイムさんにお買い物行ってもらっている間に頑張ってスフレパンケーキ作ろうか!
「用意するのは卵と薄力粉、ベーキングパウダー、牛乳、砂糖…まあ、グラニュー糖ですね。これくらいです。ホットケーキミックスがあるなら薄力粉とベーキングパウダーは不要ですね」
そう言いながら手早く卵を割り、黄身と白身を別けていく。
「先に言っておきますが、ふわふわスフレ感を出すためにもメレンゲ作りは重要なのですよ。あと、メレンゲと生地を混ぜる際に泡を潰さないよう注意してくださいね」
『説明はゆっくりめなのに動きが速すぎるw』
『何人分作ってるのさw』
『メレンゲが一瞬で出来ませんでしたか!?』
『なんか巫女様の調理は誰も出来ないとしか思えないw』
『美味しそうで辛い…』
「僕の調理法は空間操作も使っていますから邪道なんてレベルどころかチートですよねぇ…
っと、焼けて膨らむ際に微妙な温度調節と膨らむ際のアシストをすれば変な方向にぼてっと崩れること無く出来ます」
1人2~3枚のスフレパンケーキを無心でどんどん量産する。
「横に切ってヨーグルトとベリーソースとか、生クリームとか、パンケーキですからバターと蜂蜜、メープルシロップとかでも良いですねぇ」
『そう言いながらも作る手を一切止めない巫女様w』
『正確無比なスイーツ職人w』
『本当にな!?是非ともうちに欲しい人材』
『巫女様は私に甘やかされながら料理とおやつを作って貰うんです!』
『夢は眠ってからどうぞ』
『ふわふわしてそうなパンケーキ美味しそう…』
「白のお皿にパンケーキを重ねて載せて…四角く切ったバターを天辺に置いて、上からメープルシロップをとろ~りと…で、お皿の縁にブルーベリーソースとベリーソース、オレンジソースを細く引いて…ああ、生クリームでパンケーキを囲んでお終い」
これをあと何人分やるのかなぁ…うん。考えないようにしよう。
『パンケーキ何人前?』
『8人分5セット…40人分?』
『巫女様働き過ぎですよ!?病み上がりなんだから無理しないで』
『本人は無理しているつもりないんだろうなぁ』
『むしろ作っている時間の方が癒しだったり』
『巫女様ェ…』
視聴者の皆さんに弄られながらも何とかおやつを作り上げた。
───うん。ちょっと体力落ちているような気がするなぁ…
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