560話 配信と、廃神
メンタルにダメージを受け、情報過多でフラフラしながら箱庭を出てスタジオへと向かう。
幸い部屋とフロアには誰も居なかったのでスムーズにスタジオにin。
すぐに配信をスタートする。
もうとっとと配信して寝よう。夜中だろうがなんだろうが知らない!
「はい…おはようございます」
『はいじゃないが!?巫女様ご無事で何より!』
『巫女様が本気亡くなったら万単位の人が後を追う予定だったんだが!?』
『巫女様なんか憔悴しきってませんか?』
『そりゃそうでしょ!と言う過去の時間に配信って…寝てください!』
『配信は昼以降でも良いので休んで!』
ああ、なんか凄くコメント欄が…開始2~3分でこれかぁ…
「えっと、先程目を覚ましたので、とりあえずと…これ終わったらまた寝ます」
僕はそう言って首をかしげる。
「僕が意識を失っている間、色々あったみたいなんですが…そんなに激動でした?」
『激動やった』
『全世界規模で激変だった』
『巫女様感謝!巫女様感謝!』
『巫女様のおかげで救われました』
「いやぁ…僕何もやってないと思うんですよね…あと兄さんが、一部の神が大切な儀式を邪魔した結果、5日ほど意識不明でした…って伝えるようにと。まあ、成功はしましたし、僕もこうやって…多分無事?なので良いんですが」
『良くないでしょ!』
『顔色悪すぎですよ!?』
『本当に休んでください!』
『今は休んで!それが先!』
『巫女様のお兄様からの伝言は確かに承りました!拡散します!』
『私も拡散するから眠って!』
顔色が悪いのは先程までの情報過多とメンタルダメージなんですけどね…
「あ、はい…寝ます…お休みなさい。これからお仕事とか活動される方は行ってらっしゃい。良い一日を」
それだけ言って配信を終え、すぐに箱庭へと戻る。
「で、怒られたか?」
兄さんが出迎えてくれたけど、開口一番それだった。
「怒られたと言うよりも、みんなから寝ろ寝ろコールが…あ、でもなんか僕が死んだら後を追う予定だったとか怖いこと言ってる人がいたよ」
「事実だからな?持てるだけの武器を持ってダンジョンへ特攻する計画がかなり出回っていたらしい」
なにそれ怖い…えっ?もしかして本当に万単位?流石に爆弾持って特攻でも妖魔の類にはほぼノーダメージですよ?
「漸く理解したか。冗談ではなく本気でお前の後を追いかねない連中が居るんだ。本当に気を付けろよ?」
「…みんな命を大切にしようよぉ」
「その台詞、お前が大切にしてから言おうな?」
兄さんに頭ポンポンされながら家の中に入る。
「今寝て、起きて協会に行けばもっと…いや、朝フロアに行って驚け」
「なんか怖いんだけど!?」
「ゆーくん!」
ミツルギ姉様とアディエーナ様が戻ってきた…けど…
「あの、なんであちらこちらに血が」
「ああ、返り血だ。問題無い」
問題大ありですよ!?
「瀕死の状態だった爺にトドメを刺して復活させる作業を5回半行ってきただけだ。なぁ?」
「はいっ!私も2回半程行いました!」
ミツルギ姉様もアディエーナ様もイイエガオ…えっと、トドメを刺して復活させるで1セットだから…あれ?
「……そのお爺さん、死んでない?」
「ああいった手合いは肉体を痛めつけても反省しない。だから本来の主神の名に於いて記憶を制限し、これより先記憶することが困難になり、逆に知識がこぼれ落ちていくように事象を書き換えた」
「私も協力してその記憶や記録を虚無空間内に展開した閉鎖空間へ集めるよう設定を手伝いました!」
ミツルギ姉様、アディエーナ様…やりすぎだと思います…
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