545話 自然と、自然(じさ)
ゆる姉様と共に件の島へと移動した。
まあ、空間操作無しだとゆる姉様的にちょっと拙いとのことだったので、座標を聞いたタイムさんが転移をし、ゲートを開いた所を僕が周辺空間を操作して隔離。
現在に至る───というわけで、上空50メートルからの絶景です。
「高い高い高い高い!」
高いの怖いよぉ!!
「あれっ?もしかして高所恐怖症ッスか?」
「違うけど!足場無いのに、空飛んでないのに立ってるって怖い!」
「いや、足場に色つけたら良いよね?」
「それだと状況分かりにくいし!」
『お父様落ち着いてください。はーい、ギュッてしますよ~』
『パパ落ち着いて~』
娘達にギュッてされて落ち着きました…
「まあ、あんな状態でも空間操作を乱していないって事は本当にパニックというわけではないのは分かっていたッスけど…」
「涙目で狼狽える姿が可愛かったわ…」
タイムさん、フィラさん…2人は本当に良いコンビですよ…
現在、2人の娘が大量の海水を浮かせて塩分含め余分な成分を排除中。
そしてそれが終わったら持ってきた湖の水を混ぜ、霧状にして島中に漂わせる。
「アディエーナ様来てくれな「はいはい!呼びましたか!?呼びましたよね!」」
アディエーナ様が空間転移して現れた。そして、
「み゛っ!?」
うちの娘2人を見て変な声を上げ、その場にパタリと倒れた。
いや、何やってるの!?
「…尊可愛くて尊い…無理ィ…」
いくらうちの娘達が可愛いからって、それはちょっと…
倒れて悶えているアディエーナ様に声かけたくな…あ、ゆる姉様が蹴った。
「ゆーちゃんが用があるって」
「ったたた…ユグドラシル様、脇腹なら良いですけど、肋骨は…」
いや、良いのか…
「呼ばれた気がしたので来ましたけど、お困り事ですか?」
「うん。僕だと島全体を空間封鎖できないので…一時で良いから出来ないでしょうか…というご相談を」
「ええっと、何をするのかによって封鎖方法や形態を変えようと思うのですが」
「各島を箱庭の水と今2人に精製して貰っている水を混ぜて散布して一度疑似神域を作ろうと思って…」
「あー…一時的にでも作ればあとは神々がキチンと封鎖してくれるだろうと」
ちょっと難しそうな顔で唸るアディエーナ様。
「はい。可能でしょうか…」
「簡単ではあるんですけど、他の神々が手伝いますかね…」
あ、そっち?
「あー…手伝わないなら入れないから大丈夫。いくら何でもただで使うとか許さないよ?ただでは無くてもちゃんとマナーやモラルを守って使ってくれないと」
「暴れたりロクデモナイ事をした神は問答無用で軍神様が処罰するとかであれば良いので「ゆーちゃんに兄者案件と」ぇえー?」
「いやそこで兄さんを出してくるのどうなんですか?」
「みっちゃん出張っても男尊女卑な連中は認めないけど、白獅子嗾けたら一発だよ」
いや、何が一発なんですかねぇ?
そんな話をしながらもアディエーナ様は島々を上空で繋ぐような結界を張り、娘2人が生成した水に湖の水を混ぜて散布。
ゆる姉様が島の中で小さな竜巻を起こして強制的に空気を攪拌した結果…
「「「『『うわぁ…』』」」」
うん。最後の小さな竜巻が要らなかった。4つの小島は問題無いけど、中央島が…グッチャグチャですわ。
まあ、自然はもの凄く活性化して神気に満ち満ちているんですけどね?
「僕のお仕事完了という事で…都市計画やその他諸々は皆様方で話し合いの方、どうぞよろしくお願いします」
「えううぅ…私怒られるパターン?これ…」
呻くゆる姉様と微妙な顔のアディエーナ様。そして何か感心している娘2人と共に神域へと転移した。
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