511話 先手、受け入れ相談 後手、歓迎&ブッキング

 SIDE:スタジオ


「草」


【樹神様が草生やす事態に】

【世は大草原時代に突入か】

【草が生い茂りやがて林へ森へと…】

【マスコミって馬鹿なの?祓戸様が過去一度脅しかけましたよね?】

【わかりやすい暴力には屈するスタイル】

【大手スポンサー11社がお気持ちを発表と同時にスポンサー引き上げだってさ!】

【筆頭があの大手スーパーチェーンと中条グループを筆頭に有名メーカー等々】

【これ、他の所も叩けば出てくるだろうなぁ】


「あと2社は出てくるよ。まあ、それは良いとして…問題は来た時どんな対応しようかなぁ」

「大人な姿とかは?そろそろゆーちゃんに見せておかないと本気幼女な神様扱いされたままなの辛い…」

「まあ、僕も…ねぇ…」


【姿の前に言動が問題なのだと思います!】

【巫女様は毎度可哀相ですよねぇ】

【それよりも、入れるんですか?】


「入れはすると思うよ?入口で飲んだくれた神様に絡まれなければ…って、伝えておかないと!威厳も何も無くなっちゃう!」

「今更では?ゴールデン神とか」

「それ言っちゃ駄目!」


【いや、あの方はあの方で崇められていますよ?】

【守護神とか人寄りのありがたい存在として崇められてますね】


「…人望あるなぁ…」

「凄いよねぇ…あ、ここの階全体を神域内と同じ位の神気と神威にしておこう!」

「それはいいね!佑那ちゃん達、最近少しずつ慣れてきたみたいだし」

「ウッてなるくらいだよね!多分!」

「まあ、倒れはしないと思うよ?ただ、個室には影響が出ないようにしなきゃ」


SIDE:磯部大臣


 バスがゆっくりとマンション前に停車する。

 そして磯部大臣を先頭に隊員3名が降り、続いて女性が2名、男性が1名降りる。

 その後にゾロゾロと17名の報道関係者が降り、最後に簀巻きにされた男を一人の隊員が担いで降りてきた。

 バスはゆっくりと動き出し、側の駐車場へと移動する。

「さて、これからマンションの中に入るわけだが…報道陣全員、心の準備は良いか?入ってそうそうに神に絡まれる可能性もある。

 くれぐれも、くれぐれも粗相してくれるなよ?粗相すれば何万人もの人間が死ぬと思え?それを望んだのはオマエ等だからな?」

「…あの、大臣」

「ん?なんだ?」

「後ろ…」

「んっ?………オワタ」

 マンション内から手招きしている一柱の男神がいた。

「さあ、いくぞ…」

「ちょっ!?待ってください!あの人は!?」

「人じゃない。神だ。大山祇神様だ」

 全員が動揺する。

 まさか本気で入ると同時にエンカウントするとは思ってもみなかったのだろう。

「俺が先に入る。カメラは撮れているんだよな?」

 報道陣は硬い表情で頷く。

「俺が先に入る。1分したら全員で入ってくれ」

 そう言い残し、磯部大臣は一人先にマンションへと入る。

 そして大山祇神様へ深々と頭を下げ、二言、三言話をしたかと思うと…

 捕まって入口側の食堂と思しきところへ連れて行かれた。

『えええええええーーーーっ!?』

 それを見ていた全員が固まり、その姿を見送るしかなかった。

 そして、すぐ後に一人の女性が扉を開けて出てきた。

「皆さま、どうぞこちらへ…ここからは私、中務省担当者がご案内致します」

 そう言って女性が一礼した。


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