410話 アムリタとにゃんこはいぱぁ
とりあえずアムリタの詳細を確認しよう。
【アムリタ】神話級(絶滅品):不死たるアムリタは魂魄定着剤なので飲料禁止。
神界の三種の液体を熱しながら混ぜ続け、乳白色になった瞬間に88種の神界由来食物と凝縮された聖光結晶を投入する。
乳白色ではない時に入れると未完成となり、必ず違う種の神界由来食物を再度乳白色になった瞬間に投入しなければならない。飲料用。
以下、効能。
飲料アムリタ:身体損壊防止及び修復。通常5mlで500年。全呪病毒治癒、生命力、魔力、神力回復。栄養飲料。ノンアルコール。魂が離れる前であれば蘇生可能。
魂魄定着剤アムリタ:身体損壊防止。魂魄定着機能を有する。定着剤使用後は濃度と量によって対象生命体は外部攻撃によって身体損壊や即死系などの離魂症状を防ぐ。
注意点;誤飲時、肉体損壊防止の作用までにお時間が掛かります。魂魄定着は服用と同時に作用するため、身体損壊防止作用前に切断等の損壊が起きた場合は修復できない可能性があります。
備考:そちらを使用される場合は周りの主神クラス3名以上の許可を取り、安全を確認した上で服用ください。あと、近日中に出頭願います。
───うん。
僕が悪いのかな?僕が悪いのかなぁ!?
「白城さん…これ、僕が悪いのかなぁ」
「はい?」
「なんか、近日中に出頭して欲しいって…」
「出頭、ですか……え゛!?」
「何処になのか分からないけど…」
「運営本部、だと思います」
あ、なんか聞いた記憶が…
「本邸のある所、ですか?」
「そうです。ご存じでしたか」
あ、うん…というか、どうして白城さん知っているのかなぁ…
まあ、いいや。
「そこに出頭と…悪いことしてないのに…」
「恐らく事情を知りたいだけだと思われます。確認ですが、そのアムリタには使用禁止と記載されておりますか?」
「んー、無いです。備考に注意書きはありますが」
「であれば問題ありません」
僕たち草原に座った状態だ…
アムリタをしまい、立ち上がる。
「白城さん。今日は本当にありがとう。これからも、僕を助けてくれますか?」
白城さんも立ち上がる。
「勿論です。我等が主様。この白城、この身果てるまで主様に尽くします」
確りと僕を見つめ、迷わずそう答えてくれた。
「運営本部に行く時はやっぱりきちんとした服が良いんですよね?」
軍病院の中に入りながら僕は白城さんに聞いてみる。
「そうですね…ただ、色々な世界の神が居りますのでそこまで厳しくはありません」
「そっかぁ…」
「ああ、主様。ただあちらではこの世界の服はNGです」
「えっ!?」
「と言うよりも移動時点で保ちません。砂塵と化します」
どうやら上位次元への移動の際に駄目になるらしい。
「…あー…どうしよう」
「現在着用されているもので問題無いかと思いますよ?」
「あー…ちょっともう一回一覧を見た方が良いかなぁ…」
そう呟きながら僕は一覧を…………ンンンンンッ?
「主様?」
「…白城さん。何かね、一覧に神様が介入して、推奨って書かれているのがあるんですけど」
「ああ、それは良かったですね、気を効かせて……えっ?」
「介入、されているんだ。しかも二者択一」
絶対に着たくない二者択一。
「…えっと、どれと、どれでしょうか」
「スケスケ巫女服と、着ぐるみにゃんこはいぱぁって…」
「今、なんと?」
「スケスケ巫女服と、着ぐるみにゃんこはいぱぁ…です」
白城さんの顔が「ちょっと何言ってるのか分かんない」って表情してるぅ…
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