402話 救国の巫女と傾国の美女
「いやマズイだろコレは」
そう真顔で言う程患者や避難民で溢れかえっていた。
救出活動開始から2時間でおよそ500人の人間が拠点に集まっている。
その中には自衛隊の隊員も多くいたが、そう言う事ではない。
3部隊の行動範囲は県庁及び市庁舎を外した徒歩30分圏内であり、妖怪達の大侵攻に対して自衛隊含む抵抗部隊がどれだけの人を助けていたのかを表していた。
そしてそれはこのまま増えた場合の拠点収容人数問題に直結していた。
SIDE:スタジオ
『───と言う訳なのですが、人員の手配等は可能でしょうか』
と言う神様方が側にいるせいか若干距離のあるある感じのするメリアさんからのお問い合わせに、私は少し困ってしまう。
「今、白城さん達は青森の各都市奪還に動いていますし…ああ、そうでした。ゲートを開けられませんし、祈念珠も転送できませんね…」
「祈念珠の残りも少ないし…」
「今みっちゃんが魔水晶の転用のための解析と改良をしているから超廉価版は近々審議の石板ショップに並ぶと思うけど…今の宝珠だと出力が足りなすぎて一つの都市を守るレベルまではいかないし」
せお姉様とゆる姉様も困ったように考え込んでしまわれました。
『あの、ところで…何故女性の姿なのでしょうか』
「えっ?駄目、ですか?」
『…いえっ、駄目、では、ないのですが…元の姿の方が、モチベーションアップに…いえ、なんでもありません』
「??」
『』
『』
『今の駄目?は超エロス』
『その部分だけ切り抜いて100分耐久とか』
『性別越えて魅力的すぎた』
『女性ですがお姉様と呼ばせてください』
『3分と保たずに尊死するんだなぁ…』
「…うん。ゆーちゃん。そう言う所やぞ?」
「メリアちゃん顔赤くなっちゃったじゃないか」
「ええっとごめんなさい?メリアさんこちらでも考えますので…頑張ってください」
『───微力を尽くします』
「顔真っ赤」
「顔真っ赤だね」
『通信を終了致しますっ』
メリアさんからの通信が切られ、一息吐く。
「やはり足りませんか…」
「ちょっと前にかなり作っちゃったから暫く作るのは…」
「だから魔水晶や魔結晶なんだけど…あれ、使うと大気中に魔素が漏れ出るから問題なんだよねぇ…」
「そうそう。陰極魔素だから聖水使ってとか、他の世界でも結構面倒だったよ」
「あれ、そのまま放置していると空間汚染したりモンスター形成化するからねぇ」
『あの、そのお話初耳なんですが』
『もしかして今の発電に使われている魔水晶とかって、マズイ?』
『ちょ!?爆弾発言!?』
『全然クリーンじゃなかった、だと!?』
「えっ?僕が知っている研究グループや探索者は浄化しているよ?」
「ああ、見た見た。あ、でもあの会社って、兄者から魔石系を買ってなかった?」
「そうだけど、他の所からも買って、浄化してたよ?」
「あー…一度あのシステムでチェックした際に浄化してたよね」
「……あれ、もしかして無意識?」
「……かも。はじめから浄化されたモノを知っているからって………ああ!」
ゆる姉様が何か思いついたのか席から降りると、隣のスタジオへと走り出す。
「樹神殿?」
せお姉様も何事かとその奇行に首をかしげていますね…
「ゆーちゃん!ちょっと隣のスタジオに!」
「えっ?はい…」
何か実験でもするのか…危険な事はないと思いますが…
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