384話 トラップスキルと現地調達

 更に出てきたトラップ文言があります。

 ええ、それはもう多々。

 例えば救命士。人命救助のための隊員。軽装…とありますが、どういう事かと言いますと、軽装備。

 ファイルには『重装備を保有していない軽武装の軍事救命士』とある。

 ───戦えるんですよ。人命救助のために威嚇行為や一時的な制圧行為は出来るらしいです。ガチ戦闘は無理と言うだけで。

 いや分かんないよ!

 他にも…いや、これは部隊運用で後々困る可能性があったけど、

 部隊を大量に分ける際は小規模部隊指揮の出来る護衛士官と本部から指示を受けられる救命本部通信士が必ず必要とのこと。

 護衛士官は100人隊長扱いらしく、司令官がいない場合は護衛士官併せて100人らしい。兄さんとしては「小隊として50人出ないだけマシか」とのこと。分からない…

 護衛士官は『上官』が。救命本部通信士は『調達等依頼』がポイントらしい。

 そしてそして…やっぱりこの箱庭に本部を置かないといけないらしいです。

 そうなるとコストが凄いことに…

「本部は現物設置の場合は拠点士官は必要なのか?」

「いえ、その場合は必ずしも必要ではありません。最悪本部は司令官と通信士、調達官がいれば問題ありませんので」

「その調達官だが、初期で持っている物資は?」

「40人分です。尚、一度におよそ100名分転送ができるだけで余程のことが無い限り調達官を多く揃えるのは推奨されません」

 ですって!聞きました?僕はまったくついて行けませんが。



 ───と言うわけで屋敷から少し離れたお隣に軍病院が建ちました。

 兄さんの仕業です。

 箱の亜種であれほどでは無いらしい…けど、普通に三階建ての大きな建物が建ちました。警備アンドロイドと医療用アンドロイド完備で。

「これは…凄い」

 司令武官さん絶句。

「へぇ…凄いじゃないか」

 そしてもう一人の司令武官さんはニィッと笑みを浮かべていた。

 部隊分けの為に司令官は二名態勢にしようと召喚したんですけど…

 金髪ロングでスタイルのメリハリダイナマイトなお姉さんでした。

「いやぁ…イイな!これは良い!医療拠点は現地人専用にして我々の部隊はすぐに此処へ転送させれば良い!物資もしこたま貯め込めるし、最高じゃ無いか!」

「お前は…我々はあくまでも防衛専門だぞ?」

「そんなものケースバイケースだろう?」

 などと言い合っております。

 とりあえず訓練生として医療拠点防衛官、医療拠点士官、救急機甲医官以外各20名召喚して施設に慣れてもらい、部隊設立の際にそれぞれ別れてもらう方式になった。

 僕まったく分かんないけど!

 あと、神兵さん達と顔合わせしてして貰い───

「わぁ!お仲間さんですねぇ!」

 神兵さん達の家に行くとゆるふわな騎士のお姉さんが嬉しそうに出迎えて…うん。

「シャベッター!?」

 ナンデ!?ナンデシャベレルン!?

「おっ!?主様まで見えられてるじゃねーか!みんな集合!」

「友紀?さっきから、どうした?」

 兄さんが不思議そうな顔で僕を見る。

「…神兵さん達は、最近まで喋れなかったんです…」

「あー…把握。まあ、あとで説明する」

 兄さんは何か知っているようだけど、今は顔合わせだ。


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