382話 反省と覚醒

「ゆる姉様。今回ははっちゃけすぎです」

「はい…済みませんでした…」

 現在ゆる姉様は両手に水で満たされたバケツを持ち、首から『私は煽り行為をしました』という看板をぶら下げて立っている。

 これ、ミツルギ姉様が用意した物です。

 ───何を見てこれを思いついたのだろう…

 尚、ミツルギ姉様はこの光景を写真に収め、満足げに去っていった。

「2時間ほど立たせておいて」

 と言うお言葉を残して。

 まあ、僕も箱庭へ行くのでゆる姉様あと1時間55分程頑張ってください。



 屋敷に入って今日の反省をする。

 与えられたスキルを十全に扱えていない。

 使いこなしているのは一部のスキルだけ。

 いや、使いこなしていると思い込んでいるだけかも知れない。

 もしあの時最悪の事が起きていたら…

 僕一人をターゲットにしていたから建物その物の爆破なんて不確かなことはしなかった。しかし、関係なく仕掛けてきたら?

「……僕は」

 確かに僕は闘う力の無い守られる側の人間だと思う。

 でも、だからといって何もせず守られているのは違う気がする。

 常にフィールドを広げ、対処できるように動くとか、全てを把握できるくらいには熟さないといけない。

 そのためにも、改めて自分の事を見直さないと!

 僕はそう決めて自身に鑑定を掛け───えっ?

【岩崎友紀】児母/慈しみの女神 上位世界渡航権限あり

 児母:神々の児であり、母である証明。弟であり妹であり兄であり姉である。そして母でもある。尊くてお得。甘やかしたいしオギャりたい。

 慈しみの女神:全てを慈しみ、癒やす事を続ける医神亜種。現在称号神。


【癒しの波動】周辺体力回復。

【聖光/神光】周辺破邪・神光時は残光により周辺域は暫くの間聖域(弱)となる。

【祈り】単体怪我・病気治癒。


【慈母の癒し・改】周辺体力回復・状態異常完治。

【聖慈母の風格】対邪自動迎撃(有効範囲:最大210m)

【慈神の献身】神力譲渡・全快癒。

【慈母の眼・改】破邪眼・二重鑑定ダブルチェック

【此処ヲ遊戯場トス】自身及び基点最小半径90cm、最大半径500mを自空間とし、神域・自界とする。自領域との接続も可。対中級邪神・魔滅結界完備。隔離・排出可。

【救命師団召喚】救命には人手が必要。戦闘可能な救命士部隊を最大で1万名召喚可能。ただし、上官クラス以外はそこまで強くはないので注意。(コスト制)


 ナニ、コレ。

 スキルも聖女・慈母の両方とも変化しているし。

 いや、それよりも!

 児母って何さ!

 子どもに母?しかも説明の最後ォ!

 尊くてお得、とか。

 甘やかしたいしオギャりたいって何!?

 あと、慈しみの女神って医神の亜種扱いなんだ…

 突っ込みどころが多すぎて訳が分からない。

 あと、パワーバランス崩れすぎていませんか?いや、現状から考えるとありがたいんですが…ん?

「コスト制…って何?」

 救命師団召喚を細かく見る。

【救命師団召喚】コスト(0/10000)

 ・救命士:コスト1 人命救助のための隊員。軽装。

 ・救急救命士:コスト5 救命士よりもパワー及び回復要員として優れている。

 ・重装救命官:コスト20 大盾を装備し各種救命機器を担いでいる武装救命士。

 ・護衛士官:コスト50 救命士等を守る戦闘救命士。重装救命士の上官

 ・救命本部通信士:コスト60 本部へ支援物資の調達等依頼可能。

 ・支援物資調達官:コスト100 およそ100名分の医療等支援物資を転送できる。

 ・医療拠点士官:コスト100 一人につき12名分の医療拠点を設営できる。

 ・救急機甲医官:コスト300 救急搬送車両等を操る医官。防衛のための戦闘可。 

 ・医療拠点防衛官:コスト400 医療拠点防衛のための司令武官。


 多い多い。情報過多で頭が痛い!

 ……これ、5部隊くらいに分けて運用する必要あるのかな…兄さん、分かるかなぁ…いや、無理でしょこれぇ…


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