380話 事情聴取準備と午後のゆーちゃんニュース
【せお:根っからの暗殺者で殺人鬼な教官は完全隔離するけど、他の人間はそのまま一時預かりで良いの?】
モニターにそんな問いがせお姉様から出た。
「僕としては一気に解放されても困るし、自決されると…」
「あ、教官はこちらで預かり事情聴取を行いたいのですが…」
【せお:りょーかい。2階に取調室を創っておくから】
「ありがとうございます」
せお姉様と巽さんのやりとりで思い出したことが一つ。
「そう言えば、中務省の分室とか、オフィスを借りる件って、どうなっているんでしょうか…」
「そう言えば…巽?」
「………現在中断はしていますが、分室の許可は下りています。ただ、倍率が非常に高く…調整が難航しておりまして」
「いや、その前にオフィスの詳細を打ち合わせておけよ…」
課長のド正論な突っ込みにその場にいた全員が「そりゃそうだ」と思った。
「はい次のニュース!本日お昼過ぎにゆーちゃんが暗殺者に襲われました。当たり前なことに怪我も無く相手は無事捕獲───されましたが、内通者の手により逃走。
車を複数台乗り換えるなどの対策をしながらおよそ2時間半の逃走の末、隠れ家で一味を捕縛したよ。尚、犯人は千年大宮の暗部の教官、劉芳とその教え子達!」
『待って!情報多スギィ!』
『巫女様は無事と』
『周辺警護の人達使えねぇ』
『いや、周辺警護がガードして無事だったとかじゃね?』
『内通者て…』
『千年大宮の暗殺部隊って、狙われたら終わりっていう集団では?』
『有識者ニキがいるぞ囲め!』
『一応これだけ。世界各国で少なくとも4~50件ほど千年大宮関連とみられる暗殺事件があったが、証拠も何も出ず闇に消えている』
『ふむ?』
『俺の調べた限り、国のお偉いさんも数名殺られているぞ』
『ヒェッ』
『巫女様何故無事なん!?』
「まあ、ゆーちゃんや課長さんでなければ無理は無いかなぁ…あ、身柄は確保したけど何カ国か暗殺依頼をした後ろ暗い人達がいるから念のため私達が預かるよ!」
『どこかの国のお偉いさん、震えて待て!』
『覚悟ォ!』
『巫女様暗殺指示は誰なんだろう』
『ワイ某県の住民。もの凄い落雷が落ちまくっていたのって、もしかてこれ?』
『神様直接案件!?』
「あー…雷はちょっと違う件。先程の暗殺未遂に使われたアイテムで天狗の隠れ蓑という天狗の持つ貴重品があるんだけど、それを使って姿を消していたんだ。
で、それを返そうってゆーちゃん言ってたんだけど、だけど!天狗側がゆーちゃんを喰らう発言したり、書状を送った伊邪那美さんを馬鹿にした結果…宣戦布告と見做され、一族討伐されました」
『ナンデ宣戦布告の部分からゆっくり的な喋り方に!?』
『天狗さん丸焼けになったんだ…』
『天狗の団扇とかも無くなった!?』
『天狗全滅のお知らせ』
『そりゃあ、激怒案件ですわな』
『巫女様は善意で渡すと言っているのにそれは…』
「以上がお昼以降のゆーちゃんニュースでした!」
『…巫女様って、どんだけ危険なのか良く分かるな』
『周りの人達も大変そうだ』
『でも周りにいたいッス!』
『ほんとうにな…』
『絶対に日本に戻ります!』
『そう言えば戦闘ニキは?』
『戦闘ニキ軍事裁判中でスマホ取り上げられているらしいぞ』
『戦闘ニキ特定されたんかワレェ!?』
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