367話 理解とニャー!
「えっと、世界は問題無い状態、ですか?」
「まあ、応急処置と補強されているならああいった事が起きるなんて事はそうそう無いと思うよ」
そう言われてホッとした反面、この世界の神様方は気付いていたのかと疑問に思う。
あと、何か忘れているような気がしてならない…
「ゆる姉様の体調は大丈夫なんですか?」
「力を使っただけだからね実家に戻ればすぐに回復できる程度だし」
実家て…
でも、その言い方だとかなり消費したという事になる。
「そんな事よりもゆーちゃんの方だよ!」
「えっ?」
「邪眼を受けても平気だし、言葉を通じていたっぽいし!」
───あー…違和感あったのはそれかぁ。
「邪眼はスキルで無効化されていたようですし、言葉は…言霊のせいだと思います」
「言霊って、対象に対してのアウトプット系であって異世界言語理解、特にザルカンの言語理解は基本無理だからね!?」
??
何を言っているんだろう。
あの人体模型さんは喋っていなかったし…
「人体模型さんは話をしていませんでしたよ?」
「ハヴァスターイ達が話していた言語をゆーちゃんは理解し、普通に返していたよね?」
むむむ?
「日本語にしか聞こえませんでしたよ?」
「えっ?……いや待てよ?…そうか!ゆーちゃん異世界に二度行ってるからか!」
え?何事?
「ごめんごめん。ゆーちゃんは同一位の異世界ともう一つ上の異世界に行っているから異世界言語習得しているんだね。理解したよ」
いや僕はまったく理解できていませんが?
「あ、ゆーちゃん時間大丈夫?」
そう言われて気付く。時計は19時を指している。
今日は早く寝ないといけないんだった。
明日の朝食の準備をして、21時頃には眠らなきゃ!
僕はゆる姉様にお礼を言って慌てて箱庭へ移動した。
簡単極厚パンケーキを60枚作って保管。スクランブルエッグとスープは朝作っても良い。
「…うん。20時47分…準備をして21時半頃かぁ…まあ、良いくらいかな」
軽くシャワーを浴び、歯を磨いて寝よう。
そんな事を考えながらシャワーを浴びて歯を磨く。
「マイヤおいで」
『にゃー!』
マイヤが着ぐるみを着て現れた。
「それで寝たいの?」
『うんっ!パパもこれで寝よう?』
「…ん~~~~っと」
それは勘弁願いたいなぁ…
『みゅう、みゅう…』
マイヤが甘えるように僕の肩に乗って頬を肉球手袋で撫でる。
「もう、しょうがないなぁこの甘えんぼさんは」
そう言いながら着ぐるみにゃんこはいぱぁを選択。
その中の『きぐるみモード』を選ぶ。
これが過去に着ていたモードだ。
全身きぐるみタイプのヤツ。
『にゃーにゃにゃにゃー』
マイヤが上機嫌でニャーニャー歌い出す。
「ほらほら、お歌は明日。もう寝よう?」
『うんっ!パパおやすみなさい』
「おやすみマイヤ」
他のみんなが幸せでいられますように…
そう祈って目を閉じる。
「今日は早く寝たのか」
───声が聞こえる。
「おやすみ友紀。良い夢を」
そんな声が聞こえ、頭を撫でられたような感触がした。
うん。これがきっと、幸せなんだ。
微睡みの中、そんな事を思いながら僕は眠りに落ちていった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます