366話 夕食と説明

 そろそろお魚…と言いたいけど材料がないのですよ。

 なので野菜メインなお夕飯。

 むしろ野菜しか食わせぬ!

 ・秋野菜の揚げ浸し

 ・パンプキンスープ

 ・秋野菜の甘辛煮

 この3品のみ!

 ただし、これに秋野菜の皮を細かくして乾燥させ、粉節を混ぜた即席ふりかけをご用意致しました。

 …パンプキンスープだけが違和感マシマシ…ではない。むしろ全部にカボチャ入っているし。

 パンプキンスープ以外は比較的楽。

 まあ、空間操作のおかげで漉したりするのも楽だけど…量が量だから。

 佑那達は「大丈夫!1階で食べるから!」って言っているけど、そんなに大差ないんだけど?40人分も50人分も大差ナイナイ。

 神様方分に神兵さん達分、佑那達分…うん。4~50人分だね。

 ご飯だけはその倍位はいつも作っているけど!


 ───ご飯、無くなっちゃった。

 今回は5升用意して神様方3升、神兵さん達1升、佑那達1升って用意して…

 全員食べきっていました。

 これが、食べ尽くし系か!と驚愕。

 特にゆる姉様が無茶苦茶ガッツリ食べていた。

「ゆる姉様。何かあったんですか?」

「あー…クラック封じと世界の修復でだいぶエネルギー使っちゃったからねぇ」

「そんなに、ですか?」

「クラック…裂け目が出来てしまった世界って結構危なくてね…世界が本格的に割けると色んなモノが侵入してくる危険性があるし、何よりも割けてしまうと世界崩壊が早い。今回は邪神であってもある意味関係者で助かったよ…」

 世界が、割ける…

「正直、ダンジョン発生以上の末期状態だ…神々の存在力で維持している世界がここまで酷いとは…回復させてもらっているのに厳しいな」

「それは、神様方への祈りが足りないとか、ですか?」

「祈られてこそ…って訳ではないんだけど、支援は少しでもあった方が良い。でも、それは既に手遅れだし、今更祈られてもね…今回みたいに境界が薄くなった挙げ句別の世界と繋がるなんて無茶苦茶が起きてしまうとね…」

 ため息を吐くゆる姉様。

 余程のことなんだと今更実感する。

「ザルカンはここの平行世界では無い。上位世界の端と言っても良い。ここが1階の2号室ならあの世界は3階の7号室。交わることはあり得ない。

 でも今回は裂け目が出来て交わりかけた…これはタイムやハヴァスターイが関係するんだけど、そうであっても境界概念がダンジョンに食い荒らされた結果起きているのも事実。さてどうしようか…応急処置はしたし、ここの世界を管理する主神連中には通達したけど」

 ゆる姉様は途中から説明ではなく自問自答になっていく。

 だいぶシリアスモードだし、どうしたものかなぁ…

「やっぱりここに居たか。アディエーナが補強完了したそうだぞ。境界概念は他世界比1.4倍だそうだ」

リビングにやってきたミツルギ姉様がゆる姉様にそれだけ伝えてまた戻っていった。

「ああ!上級時空神いたわ!」

 ポンッと戸を叩くゆる姉様。

 下級世界でもここより上位世界で主神クラスなアディエーナ様。

 そのアディエーナ様がゆる姉様の応急処置に対して更に補強をしてくれたようだ。

「まあ、暇神だったし、力も有り余っていただろうから…まあ、一安心かな」

 ゆる姉様はさっきのため息とは違う、安堵のため息を吐く。

 それにしても、暇神て…ちょっと酷くないですか?


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