347話 7dayAM4~視聴者は、見た!(会談側)
「居るんですよ。だからこの子を困らせるなと…もし本気で困らせた、あるいは傷付けた場合は…世界の終焉だろうな」
真剣な顔の磯部隊長。
「いやまさかそんな…」
大袈裟な、という表情だった副総理…が突然顔面蒼白になりガクガクと震える。
そして辺りをキョロキョロ見回す。
「なっ!?なんだ!?」
「あー…いらんこと考えましたね?今アイツのグレーリストに載ったはずです」
「はぁ!?」
「アイツは全ての人間の原罪や悪意を見通せます。特に弟妹の事となると本気で潰されますぜ?その場合は俺等は一切関わりませんからね?無理にでもというのであれば全員退職する…と警察時代から言ってますし」
───冷静に考えると、白獅子達だけで世界どうにか出来そうだしなぁ…
あと、総理が何も言わない。
「いや俺はちょっとしたお願い等を───」
「浅野さん。今回は報告だけにしましょう」
総理が浅野さんの台詞を遮る。
その顔は真剣そのものだった。
「今回は顔合わせと報告…それで良いじゃないですか」
「お前ぇ…俺等は政治家だぞ?」
「だからこそ見誤らないで下さい」
「………」
にらみ合う二人。
「まあ、そのお願いに見返りはあるのかっていう話だわな。神様方にとって」
磯部隊長がポツリと呟く。
「何でも無償でしてくれる存在ではない。こちらがずっと無視を続けていて都合が悪くなったから神頼みだなんてねぇ…少なくともこの子は俺が会った頃から全ての者に対して常に感謝をするような存在でしたよ。多分だからこそ神々は指名したかと」
『そこの男は見る目があるの…』
ゾワリ
濃密な死の気配に三人は肌が粟立たせ、顔を強張らせた。
うん。今回はラスボス感があります。
「───伊邪那美命様」
課長がそう言うと伊邪那美お母さんが姿を現す。
「我が子に変な事を頼もうとする輩がいるようなのでな。少し釘を刺しにきた」
そう言って伊邪那美お母さんが二人を見る。
「そもこの二人は冤罪について云々言っておるが、それ以上の無礼についての謝罪も弁明もしては居らぬ」
「と、言いますと?」
「この建物への他国の攻撃」
そう言われて「あぁ」となる僕と課長。
そして「あっ!?」と言う顔をする総理と更に顔色を悪くする副総理。
「確かに。これは大変失礼を…人命に関わることをまずは詫びねばなりませんでした。この度は、同盟国の暴走で国民の皆さま及び神々にご迷惑をおかけしたことを心よりお詫び申し上げます。
現在合衆国へは問い合わせをしておりますが先方からの連絡がありませんので分かり次第改めて国民の皆さまへお伝え致します」
「うむ。駐留しておきながらこの国の有事に動かなかった駐留軍など要らぬ。それに彼の国は現在神敵となっておる。対応によってはこの国もその対象になる事だけはしかと心に留め置いておくように。
ところで我が子よ、母は午後女子会というものを開催したいのですが…」
「あ、はい。お昼を作ったあと、ケーキ等を用意しておきます。参加者は何名でしょうか」
「西欧の者達含め14名です」
「…わかりました。頑張ります」
「頼みましたよ?」
伊邪那美お母さんはそれだけ言うとスッと溶けるように消えた。
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