346話 7dayAM3~世界人脈銀行って何!?

「───まずは現状の説明から。貴方を貶めようとした者達は3勢力ありました。合衆国、一部メディア…そして国会・地方議員含めた一部議員です」

「更にそこに紛れるように共和国とメディアの一部職員に煽られた動画配信者やインフルエンサーがいた」

 磯部総理が話し出し、捕捉を副総理が入れていく。

「あ、更に捕捉をするとメディアから芸能事務所にも飛び火しているからね?巫女様を降ろそうって動き」

 せお姉様が更に捕捉を入れると総理と副総理が「何ッ!?」って驚いた顔でせお姉様を見る。

「それと、ゆうくんは巫女であると同時に神のお世話係。この子がこの世界と繋がりがあるから樹神殿と戦神殿…異界の高位神が見限らずにこの世界を助けて下さっている。そうでもなければ2年前に見限っている。この子らを安全な世界に隔離して」

 それって、僕ら以外アウトだったって事かなぁ!?

「まあ、今はゆうくんが色々手を回しているおかげで僕らも動けるまで回復しているし、もう舐められっぱなしの神ではなくなっているけどね」

 ジロリとお二方の方を見るせお姉様。

 顔面蒼白なお二方。

 一方動じない磯部隊長。

「───デパートでの万引き疑惑にも先方からの謝罪があったが、どこに連絡をしていいのか分からずにこちらに話が来ていた。その日のうちに棚卸しをして疑いは晴れているし、ホームページ上で謝罪文を掲載しているそうだ」

「はい。それで充分です」

 ほっとした表情のお二方にため息を吐く磯部隊長。

「あとはフェイク動画や切り抜きの拡散については…残念ながら」

「そこは仕方のないことだと考えています」

「そっ、そうですか…」

 なんか、怯えていません?

「しっかし…スゲェよな。俺等は完全に気圧されているのに巫女さんと甥っ子は平然としているんだからな」

 副総理がそう声を掛けてきた。

 おっと、課長は例外扱いですかそうですか。

「これくらいの神圧であれば問題無いですな。定期的に訓練をしておりますので」

「……あー」

 うちの兄が済みませんっ!

「はははは…あの圧と比べたらどれだけマシか…」

 磯部隊長。耐性に関しては初期の課長以上だった件について。

「耐性だけで言えば協会の部隊と中務省の一般部隊を越えているという事ですね」

 課長が冷静に判断した。

「……まあ、中務省の特殊部隊とは共にあの訓練を受けていますが…受ける度にもう二度と受けたくないと毎回言い合いますね」

「なんか…済みません」

「いやいや、あの訓練のおかげで今回含め様々な所で動けるので。部隊内でも「アレよりはマシと」言って笑えるくらいです」

「いやお前さん達どんな訓練をしたらそう言えるんだ!?」

「文臣お前…どれだけの修羅場を…」

「いやお前に言ったよな!?岩崎家には気を付けろって!歩く最終戦略兵器とリアルアクション映画主人公、そして世界人脈銀行が居るからって!」

 歩く最終戦略兵器は兄さんなのは何となく分かる。

 リアルアクション映画主人公は佑那なのも分かる。

 世界人脈銀行は…僕?

「磯部隊長。僕の部分だけ良く分かりません!」

「…おまっ、マジで言ってるのか!?」

 そんな驚愕した顔で言わなくても…

「お前が連れてきた人間、100%世界中に知れ渡っているような人間だらけだからな?しまいにはそこから更にお前の信者が増えていたし、今は…神々もお前の関係者だろうが。危険度は兄貴が1位お前が2位妹は3位だと俺は思っているぞ」

 ………うん。

 異世界どころか上位世界まで行ってしまっている兄さんが1位。

 この世界の神様方と暮らしている僕が2位。

 この国のお偉いさんの子女と交流があって武力もある佑那が3位。

「……妥当、ですね」

 僕の呟きに「この上が居る、だと?」と総理と副総理が声を揃えていたけど気にしない。気にしたら泣きそうだ。


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