345話 7dayAM~うぇるかむそーり?
20分程経過し4名の人がフロアにやってきた。
「岩崎。客人をお連れした」
「課長ありがとうございます…大丈夫ですか?」
「……多分?大山祇神様に絡まれはしなかったが、神気垂れ流しのせいで二人卒倒してな…」
そう言って顔色の悪い二人組を見る。
そしてその後ろに居るもう一人…
「あれ?磯部課長?」
「ああ、久しぶりだな」
そこに居たのは兄さんが(悪い意味ではなく)いつもお世話になっていた当時刑事課課長だった磯部さんだ。
「お久しぶりです。今日は…付き添いですか?」
「まあそんな所だ。知っている人間がいた方が良いと思ってな」
「何の話をするのか良く分かっていませんけどね…」
僕の苦笑に磯部さんは首をかしげる。
「そうなのか?」
「ええ。謹慎の件含めた事らしいとまでしか」
「文治ぅ…それは駄目だろ…」
磯部さんがそう言ってダウンしている一人を小突く。
んんっ?
このお二方、どこかで見た事が…
「…あー…磯部総理ですかぁ」
納得。そして多分兄弟か親戚か、って関係なんだろうなぁ。
「岩崎?なんか反応鈍くないかな?」
「いえ。納得しただけです」
兄妹と言うよりはイトコとかそこら辺かな?
待つこと数分。漸くお二人は立ち直れたのかこちらを向いた。
「初めまして。私は
「初めまして。私は
「そして俺は警察庁警備局警備運用部内同立特殊災害対策部隊長をしている
岩崎案件て…まだあるんだ…
「私は神々の巫女を任じられております岩崎友紀と申します」
「まあ、硬い挨拶はここまでで。話をしたいんだが………向こうで手招きしているのは…神様かい?」
「あ、はい。異界の神で樹神ユグドラシル様と日本の神で祓戸様です」
「映像以上に幼いな…いや、ナリは自由に変えられるのか」
「そうですね。ただ、幼い時は思考はやや体に引っ張られているようですが」
話をしながらスタジオ近くまで寄る。
「話し合いなら隣の部屋を使ってね!どうせ皆に聞かれるんだからざっくばらんにやってって!」
ゆる姉様がそう言い放つ。
お二方が僅かに顔を引きつらせた。
「へぇ…すげぇな…居るだけで心が洗われるようだ」
周りをキョロキョロ見回す浅野さん。
そして無茶苦茶緊張している総理。
とりあえずあはとクッキーと茶コーヒーを出す。
「異世界製の緑茶色したブラックコーヒーです。体には良いのでどうぞお召し上がり下さい」
「「いただこう」」
課長と磯部さんは普通にカップを手に取り飲む。
「普通に美味いな…普通にどころか美味いな!」
磯部さんがかなり驚いたように呻く。
「回復効果が凄いですから、飲んだ方が良いですよ」
課長が一息吐いてそうお二人に飲むよう促す。
「では、戴こう…」
総理が意を決して一口。そして目を見開いた。
「……ああ、痛みが、おお、おお!」
眼鏡を外し、嬉しそうに周りを見回す。
「戴くよ」
浅野さんも一口飲んで少し驚いた顔をし、そのままもう一口飲む。
「───驚いた。長年の腰痛と胸の痛みが無くなったよ」
「呪いや毒、病を取り除き、中級快癒薬と同等の効果のある代物です」
「「「!?」」」
僕と課長以外がもの凄い反応をした。
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