341話 6dayPM4~聞いた方が早い

「と言うわけで教えてください」

 早い夕食後、攻撃してきた戦闘機をどうしたのか聞いてみた。

「えっ?持ってるよ?ゆーちゃんの謹慎が明けた時にポイしようかなぁって」

 持ってる扱いですよ奥さん…しかもポイて…

「中の人は…どうなっているんでしょうか」

「えっ?…あー…うん。生きてはいるよ」

 ああ、これアカンヤツですね。

 ───仕方ない。あちらから敵意を向けてきた事に対しての神様の温情なんだから。

「では、相手の方に爆発しない程度にポイってしてください」

「良いの!?」

 ゆる姉様が驚いた顔をする。

「天に唾を吐いて顔に掛からず肩に掛かった…神々の温情には感謝しかありません」

 えっ?なんでそんなに呆然としているのです?

「ゆーちゃんの天秤が公正になった!」

 なんですと?

「僕は人にも神様にも甘いジャッジをしてきたつもりですが!?」

「つまみ食いとか…」

「あ、それは厳罰に処します」

「あ、はい」

 ゆる姉様の目からハイライトが消えた。

「あと、ゆる姉様が配信で聞いて欲しい事があるのですが…」

「何でも聞くよ!さあさあ!」

 なんかグイグイ来るなぁ……

「僕の謹慎についてなんですが、僕は何を以て謹慎解除となるのか…僕まだ罪人疑い状態だと思うんですよ」

「えっ!?」

 ゆる姉様?その「何言ってんのコイツ」って顔止めて欲しいです…

「だってゆーちゃん何もしていないし、疑いって」

「万引き疑いが拡散されていましたし、偽動画に関しても恐らく広がり続けていますよね?」

「……あー……そだね」

 今気付きましたという顔をされてしまった。

「政府見解もあるし、僕としては問題無いけど、ちょっと聞いてみるね!」

 え?待って?政府見解って何?


「hay yo!皆の衆!ちょいと聞きたいことがあるんだけど」


『ほんま自由な神様w』

『ここまでフレンドリーな神様がいるとは平安時代の陰陽師でも分かるまい』

『いたら怖いわ』


「ゆーちゃんからの質問なんだけどなぁ…」


『話を聞こうか』

『はよ』

『戦闘中だから2分待って!』

『戦闘ニキはちゃんと闘ってて』


「えっとね、ゆーちゃん今謹慎中でしょ?謹慎解除条件全然満たされてないんだけど、そのまま延長なのかなぁって」


『え?待って?』

『いや、政府見解は?逮捕は?』

『あ。でも動画サイトでまだ見るぞ?』

『叩いている連中もまだ結構数居るな』

『あれ?謝罪されてない!?』

『やばk』

『戦闘ニキ!?』


「政府見解ってお気持ちでしょ?相手側からは何のアクションもないし、まだ叩いている連中が7913名ほどいるからさ…20人くらいごっそり減ったけどまだいるなぁ」


『結構居るなぁ』

『世界規模からのこの数?』

『人数!』

『いや多すぎィ!』


「まだあの動画拡散され続けているし、7日目予定の救済システム、一時凍結ね」


『ちょ!お待ちになって!』

『雄町』

『待って待って!』

『酒米銘柄ァ!』

『驚きすぎて前線突破され掛けたわ!』

『戦闘ニキは仕事して!?』


「無実の罪をでっち上げられて謹慎だよ?私達ゆーちゃんにお願いされているから助けているようなものなのに馬鹿みたいじゃん…あ、ゆーちゃんが必死にジェスチャーしてて可愛い」


『巫女様w』

『まあ、巫女様最優先で』

『日本国民仕事しろ』

『なんか巫女のすげ替え運動起きているよなぁ』

『巫女様日本捨ててうちに』

『いやいや群馬に』

『群馬は日本違うんかいw』

『巫女様優先で』


「リスナーと言うより信者の自己犠牲強すぎワロタ。でも、このまま延長戦に入ると暗黒期突入だよ?悪魔召喚した連中いるみたいだし、このままだと…ねぇ」


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る