337話 6dayAM~毎日が騒動。そして…

 おはようございます。

 昨日は凄かったですね。

 現在兄弟水入らず。川の字で眠っております。

 僕が真ん中なのは絵的に格好が付かない気がするんですが…

 兎も角起き───上がれない。

 佑那が抱きついてきている。

 癒しの波動を佑那の腕周りに掛けて解し、ソッと抜け出た僕は朝食の準備をする。

 さあ、何を作ろうかな?


 ボーッとしながら作った朝食は以下の通り。

 ・だし巻き卵

 ・大根おろし

 ・豚肉生姜焼き

 ・菠薐草のお味噌汁

 ・サツマイモの混ぜご飯


 うん!日本のご家庭ご飯!

 大根おろしは辛くするために頑張って擦った。大根1本擦った辺りで空間操作を使えば良かったことに気付いてちょっと泣いた。

 量が量だし。

 およそ70人分。

 兄さんと僕の分は隔離して、神兵さん達の分と、佑那達の分、神様達の分…うん。あってる。

 ご飯だけは80人前だけど、まあ、いつもより少し少ない…かな。

 白米あるし大丈夫!


 食事戦争は2箇所で勃発した。

 神兵さん達の所と、神様方の所。

 あと、ノーリスさんが「やはり食事とは素晴らしいものだったのですね」と感動していた。

 食後は普通の緑茶を出したらせお姉様が滅茶苦茶警戒していた。

 佑那は僕たちと食べるとごねていたけど、お客さんを放置してそれは駄目だよ?

 かといって兄さんがここに居るのは秘密だからしょうが無いよね?

 もち麦団子を渡しながらそう説得したらアッサリ頷いてくれた。チョロい。

 ───さて、流れるように朝のルーティンは終わったので時間が空いてしまった。

 兄さんもお仕事に出ちゃったし、ノーリスさんは今日は1階食堂で研修を行う予定なので僕は付き添わなくて良い。

 白獅子達のクッキーでも作ろうかなぁ。

 序でに神兵さん達にお裾分けすれば良いし…うん、そうしよう。

 あの茶葉を軽く凍らせて刻み混ぜ込んだクッキーとかも面白いかも?

 そんな事を考えながらクッキーを作り始める。


 作りすぎた。

 売るほどあるよ。無心で作っちゃ駄目だ。

 5種類合計400枚あるよ!

 とりあえず、白獅子達用に100枚。

 神兵さん達用に30枚。

 神様方用に100枚。

 残りは何かあった時用と言うことで保存。

 ───さあ、昼食の準備をする時間だぁ…



 SIDE:世界


 

 そこは悲惨な光景が広がっていた。

 五体満足な屍は一つも無い。

 炎を纏いながら蠢くナニカ。

 顔の半分が欠けた屍がゆっくりと起き上がり、再び倒れる。

 それは地獄絵図と言っても過言ではなかった。

 私兵、傭兵悉く屍と化し、その一帯には生者は一人もいない。

 数分前まで騒いでいた男も今では他者同様屍となって倒れている。

『───ふむ。良い死臭だ。実に良い』

 ナニカが声を発した。

『良い。良い…これは実に良い』

 炎を纏い蠢いていたナニカはゆっくりと形を変えてゆく。

『さあ、役割を果たさなければ、神へと至るための役割を』

 ナニカはフード付きのマントを羽織ったような格好に姿を変える。

 ただ、その姿は見ることができない。

『万人に救いを。万人に喜びを。救いとは死であり、喜びとは闘争である。さあ、歌え、奏でよ。喜びを』

 周辺一帯の「死の気配」がナニカに集まる。

『その果てに私が神としての救いを、慈悲を施そう…』

 そうナニカが言い終わった瞬間、周辺一帯の死者達はまるで操り人形の糸が切れたように崩れ落ちた。

 ここに一体の悪魔が解き放たれた。

 その事を世界が知るまであと───


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