312話 ???~麦の可能性と食材調査と
あわせ麦ご飯ともち麦団子を作ってご飯のお供に翼竜肉そぼろも作った。
もち麦団子はデザート。
「ほぉう?ほうほう…これは…」
女神様、これで3杯目です。
「…シンプルだが、やはり美味いな」
やった。兄さんに褒められた!
『パパおかわり!』
マイヤも負けずとおかわりする。
「うん。はい、どうぞ」
『ありがとう!』
マイヤも3杯目突入。
さて、いつもの癖で飯櫃一杯作ったけど…もう無いですねぇ…僕のものすら。
結局女神様4杯、兄さん2杯、マイヤは4杯食べました。
みんなよく食べるわぁ…
そして今もち麦団子を食べている。
「ほぉ!美味いな!いや先程の飯も美味かったがの!?」
はいはい。何を焦っているのかは分かりませんが、美味しかったのならよかった。
「さて、これから確認したい事なのですが…食用可能な植物の一覧を頂けませんか?」
「ん?無いぞ?」
「神様も把握していないと?」
「そもそも作ったのは妾の半身じゃからな。三徹目でおかしなものを作ったのも確かじゃが、基礎は共に作ったぞ」
「その神様はどちらに?」
「融合したのでな。もうおらん」
あー…そういう事…
チラリと兄さんを見る。
目を瞑り、腕を組んで何か考えているようだ。
「では一つ一つ調べるしか無いですね…」
「そうなるのぉああ、今もち麦?というものを加えたので問題なく生産、収穫ができるようにしたぞ」
そう言って麦の穂をちゃぶ台の上に置いた。
「兄さん、醤油味の野菜か果物って、ありますか?」
「ああ。呪人族の所にあったな…雑草としてだが、今付近にいる白獅子に採って来させよう」
アロエでした。めっちゃアロエでした。
切るとサラサラの液がこぼれ出てきて…透明な醤油でした。
どうにもたまらなくなって鑑定すると、
【レクムシュケ】:訳すと小さな塩棘草。
嫌われ雑草で駆除対象。切断面から出る液体は醤油の味に似ている。一度熱を通せば砂糖醤油味となる。果肉はそのままだと渋いが、加熱すると味噌味になる。
尚、果肉、液共に地球の下位回復薬と同等の効果がある。
「───兄さん。これ、鑑定したことある?」
「うん?ああ。薬効付きだよな」
「熱を通したらこの液は砂糖醤油味になるらしいよ?果肉は加熱すると味噌だって」
「…ほう?俺の鑑定では出なかったな…まだ進化を残しているとは、面白い」
───僕の目は食材鑑定方面に特化している可能性が高い件について。
いやいや、普通のものも鑑定できたし、食材鑑定方面は更に…と言い直そう。
ともかく、ちょっと味を確認してみよう。
溜まった液体を小さじで掬ってひと舐め…うん。ちょっとお高めなたまり醤油の味だ。
次に、加熱を…色が一気に付いて醤油色になった!
結構とろみが付いてきたので加熱をやめてまたひと掬い…甘塩っぱい!
「OK!これちょっともち麦普及と共に呪人族さん達に案内かけたい!」
「それはいいが…お前、休まなくていいのか?」
「休みの対価はこれで!」
「「ぇえ〜?」」
兄さんなら呆れるのわかるけど、どうして女神様まで呆れるのかな!?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます