305話 4day 未明~朝食準備とお夜食

 あの後静留さんに「普通」の定義を7分ほど説明された。

 けど、僕たちは「普通、だよね?」「うん。普通の部屋だったよね…」と頷き合ったため、皆にため息を吐かれた。


 さて、僕は箱庭神域へ入り明日の朝食の準備をする。

 分けて作らないと事故が怖いから箱庭産のもの以外で作ろう。

 まずはご飯。

 一応あるけど、4升は炊いておこう。

 次に白菜と塩昆布の浅漬け、人参と白菜のスープ、最後にマッシュポテトに醤油と生姜強めな合い挽き肉のそぼろを載っけたものを用意。

 …うん。簡単だけど、量が量だけに時間がかかる!

「手伝うッス!」

「タイムさんありがとう!あ、じゃあこの白菜と塩昆布の浅漬けをお願い」

「了解ッス!」

「じゃあ私も」

「フィラさんもありがとう!ジャガイモを粗めに潰して」

「分かったわ」

 よし。少し余裕持って料理が出来る…うん。夜食、サツマイモで作っちゃおうかな?

 焼き芋とスイートポテトキャラメルを作ろう!



 ───午前2時───


「と言うわけでもう面倒くさいから残りものをリストで出しちゃう!」

「あと皆に聞きたいんだけど、石板はどうだった?」


『リストありがてぇ…』

『回復系、とうとう感覚掴めないまま…』

『石板の周辺が凄かったです…悲鳴上げる人多数。ヒステリックに叫ぶ人も多数』

『なんか芸能人が石板に触れて20点代で無茶苦茶ドン引きされていたw』

『イケメン俳優ザマァ!』

『お婆ちゃんとお孫さんが揃って70点代を出してどよめかれていた』

『平均40~50なんでしょ?スゲェ…』

『お天道様に顔向け出来ないことはしていないからね!ってさ。カッケェ』

『えっ?待って?5日目の審判って何?』

『6日目の疑似ダンジョン設置って?』

『7日目の石板隣に支援物資交換所設置(予定)って…何?』


「審判はペナルティ強化だよ。なんか「死をも恐れない!」とか言って悪いことしているような人に対してペナルティ強化と現在の状態で死んだ場合の死後の責め苦を夢で疑似体験して貰う死後チュートリアルをね…まあ、10点以下の人達対象だから気にしない気にしない」

「支援物資交換所に関しては僕が担当しているんだけど、明日までに改めてアナウンスするから!」


『犯罪者よ、震えて眠れ』

『逆に眠らないのでは?』

『でも、経験しておかないと危険だろ?覚悟決めておかないと』

『そういったのは一桁代の奴が心配すれば良い』

『それよりも疑似ダンジョン設置って何!?』


「あー…それはねぇ」

 コンコンッ

「「?」」

「失礼します」

「ゆーちゃん!?こんな時間にどうしたの!?」

「お夜食。焼き芋とスイートポテトキャラメルをどうぞ。僕はもう寝ますので…」

「うん。ゆうくんありがとう!」

「おやすみなさいませ」

 パタン


『良い子過ぎない?』

『この時間まで起きているから悪い子だろ』

『でも神様の夜食作っていたんだろ?』

『焼き芋と…なんだって?』


「焼き芋とスイートポテトキャラメルだって!」

「ゆうくんはさっきまで僕たちの朝ご飯の支度をしていたんだよ!」


『美味そう!』

『朝食準備と夜食作成で夜中まで…ブラック通り越してない?』

『むしろ夜食の方に時間がかかっていそうな…』

『キャラメルって、むっちゃ時間かからなかったっけ?』

『謹慎中の方が過剰労働という…』


「確かに、謹慎中の方が朝から晩まで何か作ってる…」

「休ませなきゃ!」

「でも、多分休まないだろうなぁ…」

「「はぁ……」」


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る