304話 3day PM9~物価と石高と邪神ちゃん
「「そのままで!」」
「「えー?」」
おわかりいただけただろうか。
佑那の狂信者達は喜々としてそのまま宣言をし、僕と佑那は渋い顔をする。
「まあ、僕としては佑那に迷惑かからなければ良いんだけど」
「兄さんっ!?」
なんて事を!って顔で僕を見るけど、迷惑にならないんだったら別に良くない?
「佑那。彼女達は襲いかかってきたりとかはないよね?」
「うん」
「親友なんだよね?」
「うん」
「じゃあ良くない?こっちは対等と思っているけど、親友達がお姉様って慕っているって事でしょ?」
「……まあ、そう」
「じっくり話し合って。神様方はこの職に関しては話し合って変更するか決めるって伝えてあるし」
「そんな軽くて良いの!?」
「あまり良くないと思うけど、いいよ」
───因みに、たいたい十人分くらいあった料理がなくなっていることに関しては触れない。一人で二人分食べたと思えば…うん。健啖健啖。
「へー…中条のおじさん達凄いなぁ…」
「でも慢性的な魔水晶不足なのは変わらないのよね…」
「それでもストックとして数年分あるのであれば良いじゃないですか」
「問題は食糧なのよね…魚以外は結構危ないわ」
「お米3キロで2660円はちょっと笑った」
「えっ?私が母と買い物に行ったら3キロ3800円でしたよ?」
「パンもお米も2倍くらいですか…古米放出かなぁ」
「野菜も値上げ凄いよ?反対に果物の価格が下がっていたかな?」
皆さんお高い所で買っていませんか!?
いつものスーパーはお米買っていた時は5キロで2000円位でしたよ!?
まあ、確かにこの数年で物価は上昇しているけど…
「スタッフさん達、半分石高制にしたら喜ばれるかなぁ」
仮に月40万円とした場合、20~30万円は…いや、コンビニ入れて…それだと周辺店舗が大変かぁ…
「兄さん。どうしてそんな突拍子も無いことを?」
「ん?あー…穀物と野菜類が信じられないくらいたくさんあるから…」
「だからなんで!?」
「神様が上の階で作っているから売るほどある。でも、それを意味も無く放出するのはおかしいと思うし…って考えているんだ」
意味も無く兄さんに押しつけたけど!
いや、意味はあったけど、意味はあったんだけど…
「それでお給料以外…んんん?」
「どうしたの?」
「スタッフ?」
「うん」
「もしかして、このマンションを完全に買い取ったの?」
「みたいよ?で、うちで雇っている形みたい。詳しくは巽さんに聞かないといけないけど」
「ちょ!?」
「あと、ここの建物自体大使館扱いみたい。まあ、特殊な状態だから近々中務省の分室が下の階に来たり色々あるっぽいけど」
「「「「「はぁ!?」」」」」
「ある意味最強の防衛拠点だしね」
「いや、兄さん!?そう言うレベルの話じゃないからね!?」
「うん。そうだね。食堂一つじゃあ足りないよねぇ…やっぱりスーパーかコンビニか…」
「違う、そうじゃない(真顔)」
「ここに住める、事務所を構えることが出来る事が凄いステータスになるわ」
「基本受け付けていませんよ?あと、神様がやりたい放題弄っているのでこのフロア含め一つのフロアにこの規模の部屋を20部屋とかも簡単にできますから」
「……これ、動かない箱船じゃない?」
「いやいや…神様方は人を見捨てませんよ?」
「そうなの?」
「お酒スキーな神様多いですし料理に興味津々な神様も多いですから」
「…それ、兄さん限定だと思うんだ…」
「邪神ちゃんとか目を輝かせてご飯食べてるよ?」
「「「「「邪神!?」」」」」
「うん。邪神。良い子だよ?」
「神域がどのような所なのか…想像もつきません…」
静留さんが息を吐く。
「「……普通、だよねぇ…」」
僕と佑那は顔を見合わせてそう言った。
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