303話 3day PM8~食後の確認と…確認?

 うん。あのね?

 みんな息をするのを忘れる勢いで食べているんだけど…怖いよ!?

 僕の料理に危ない物でも入っているの!?

 邪幼女神様ですら…あ、うん。

 なんか一生懸命食べてる。お口パンパン。

 炒飯、もうすぐ無くなるし…麻婆豆腐も無くなりそうだけど…ご飯も投入しよう。

 あ、速度が上がった、だと!?


 食い尽くされました。

 新記録ですね!120人前ですよ!

 …炒飯残ったらおにぎりにしようと思っていたのに…

「ごちそうさまでした!」

 せお姉様が満面の笑みだ。

 さて、聞きたいことを聞こうか。

「せお姉様。質問があります」

「んぇ?」

「いま、妹と妹のお友達3名、あと兄さんのお友達が来ているんですけど、妹のお友達の職業がおかしいんですが…何か分かりますか?」

「職業?…祝福エラー?ちょっと待ってね…ん~…んー…んんんっ!?」

 あ、なんか予想外だったっぽい。

「誰!?こんな面白い事したの!」

「いや、人の職業で遊ばないで?」

「ちょっと待ってね!すぐに探し出すから!」

 せお姉様が慌てて調べ出す。

「そんなに変な───ぇえー?」

 ミツルギ姉様も苦い顔してるし…

「これ、条件付けが凄い分ろくでもなく強固だぞ?」

「見つけた!ローーーーーーーーーーマ!」

「はいいっ!?ごめんなさいっ!」

 近くに居たウェスタ様がビクリと反応した。

「いや、ウェスタ様はちゃうて…」

「……カリストーって、知ってる?」

「…………あー…」

 ウェスタ様が目を逸らした!?

「お、解除したが…祝福プログラムにコメントがあるぞ?「女性は女性同士が良いと思うの。女性に化ける男性とかユルサナイ」って…なんだか凄く拗らせていないか?」

「いえ、あの…この子ガチ被害者なんです…」

 凄く申し訳なさそうなウェスタ様が説明を始めた。


「「……ないわー」」

「…神話の世界、そんなのばっかりですね。しかし、それでも、悪戯が過ぎます」

「まあ、取得条件を厳しくしているようだしなぁ」

 難しい顔をするミツルギ姉様に首をかしげる。

「そんなにですか?」

「ああ。だからこそ破格の性能だ」

「破格?ですか?」

「一人の女性に対し一途で、その人を助け、支えたいと心から望み続ける女性に対し白百合騎士団の称号と騎士、軍師、軍医、コック、商人、神官の中から適性のあった職が宛がわれるらしい」

「それでも、破格?」

「軍師は分体を召喚出来るし、軍医はその分体を回復させられる挙げ句、騎士団および「主」と定めた人物に対して回復量が通常換算の1.5倍だな。

 更に言えばコックは部隊内の人間であれば離れていても食料提供ができ、商人は割高だがランダム50アイテムの商品を買うことが出来る。しかも1日1回更新される」

 ふーん。

「…全然魅力を感じていない…みたいだな」

「正直そんなに興味ないです」

「……そっかぁ…」

「で、修正することは出来るんですか?」

「ああ。できる」

「ちょっと本人達と話し合ってどうするか考えます。あちらも他と違っていたから困惑していたようですし」

「分かった。変更する際に呼んで欲しい」

 ミツルギ姉様はそう言って席を立つ。

「じゃあ僕も仕事に戻るかな…配信は樹神殿がしているみたいだし」

「どうして耐久配信みたいな事を…」

「世界中で問題行動が増えているからだよ」

 ニヤリと少し悪戯っぽい笑みを浮かべ、ミツルギ姉様の後を追っていった。


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