296話 3day AM2~作り置きとお昼と課長。
兄さんに野菜とお米、麦、トウモロコシを結構な量押しつけることに成功した。
神族が劣勢な世界があるらしいのでそこに持っていくらしい。
よろしくお願いします!
ということで、兄さんをお見送りしたので僕は作り置きとお昼ご飯、そして途中で止めているおやつを一気に作っていこうと思う。
すぐに出せる法蓮草のごま和え、鶏そぼろ、大根の梅おかか和え、きんぴらごぼう。
そして豚の角煮を大量に作っておく。
あ、昨日のこともあるし、追いマヨ可能なポテサラを作っておこう。
と、作り置きはこれくらいにして、お昼の準備もしないと。
角煮を作ったから煮豚でも作ろうかなぁ?
煮汁をひたひたにして確りと肉に染み込ませ、茹でたチンゲンサイとからしを少々お皿の端に添えて…うん。
あとは椎茸の七味マヨ焼きとシシトウのニンニク炒め、白菜のスープ。
勿論ご飯も大量に用意する。
よし。ひたすら料理だけしている気もするけど、もう一息だ!
SIDE:藤岡課長
「んっ?」
岩崎からメッセージが届いた。
今夜妹とその友達が来るので皆で食事でも如何ですか?というものだった。
流石に妹さんの友達が居るとなると神々と食べるわけではないだろうが…?
「課長、姫様からメッセージが…」
「ああ。今来たメッセージの事だな。良いんじゃないか?」
「幾つか買い出しも頼まれているのですが…」
少し困ったような顔の巽に首をかしげる。
「ちょっと待て…ああ、中華の予定?」
「はい。今夜は中華だそうですが、足りない食材があると」
私のメッセージには書かれていないが…調達班として動いているからだろうな。
「どれくらいだ?」
「神々の分とあわせても結構な量です」
「と言うと?」
巽がソッとメモを見せてきた。
豆腐20丁、バナメイエビ無頭2~3kgくらい、豆板醤大瓶1つ
「…この時点で何人分の何を作るのかと問いたいんだが…」
「麻婆豆腐とエビチリは確定していますが、だいたい40人分くらいでしょうか」
「多すぎないか?」
神々は常駐でも10名そこらだろ?それに対して40名分は流石に…
「むしろ控えめに言っている可能性もあります」
何だと?冗談だろ?
巽をジッと見つめるも真剣な表情で頷かれた。
「……エビとかは買えるのか?」
「専門店で購入可能です。それと、夕食とは別に食堂の機器を購入したいと…」
「食堂の機器?」
「ワインサーバーと日本酒サーバーが欲しいと」
「…昨日の件もあるからか…これは手配は?」
「在庫の確認をこれからする予定です」
「…午後から回るか」
「そうですね…」
「少し長谷川部長に言ってくる」
「お願いします」
席を立ち、部長室へと向かう。
───誘わなかったら半年は恨まれるだろうからなぁ…
そんな事を思いながら部長室の扉をノックする。
「…どうぞ」
「失礼します」
部屋に入るとカタカタとキーボードを鍵打する音がする。
「どうしたの?岩崎君からの件?」
ディスプレイから目を離さずに私に問う。
「む?メッセージが来ていたのか?」
「ええ。今日の夜よね?」
タイピングの手を止め、私の方をみる。
「そうだ。ただ、かなりの材料を買い込まなければならないらしい」
「と言うと?」
「豆腐20丁やエビを数キロなどだ」
「………午後から休んで良いわ。買いだし行って。他にも何か買うモノがあるか聞いた方が良いわよ」
「了解した。巽と回るとしよう。で、そっちはどうする?」
「私は少し早めに切り上げて戻るわ」
「岩崎に何か伝えることは?」
「…中華ならデザートもそういった物が欲しいなぁ…って」
「分かった。他に何か確認する時にリクエストとして出しておく」
「お願いね。ああ、それと」
「何だ?」
仕事用の眼鏡を外した彼女が真剣な表情でこちらを見る。
「お隣の大国が暴走を始めた。今朝未明に半島側に侵攻を始めた」
「このタイミングでか!?正気か!?」
「何がしたいのか分からないわ。ただ、より一層の警戒は必須よ」
「…分かった。目を光らせておく」
「それと」
「まだ何かあるのか?」
「育美から愚痴の電話が来たわ」
「アイツは…私に狡いとかほざいていたぞ」
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