292話 3day AM未明〜事前アポとアサルトアタックお邪魔します

 昨夜から今まで箱庭神域で合挽き肉の作成とハンバーグのタネ作成、あとはクッキーとシュー生地、エクレア生地の作成をひたすらしていた。

 まあ、シュー生地とエクレア生地は問題ないんだけど、お肉に関しては…うん。

 タイムさんとフィラさん、そしてロアステーアさんがものすごい食い付きを見せた。

 そして今までひたすらお肉についての説明と合挽き肉にするメリットをそれぞれの肉でコイン大のハンバーグを作って食べさせて説明。

 そしてハンバーグを100個、ロールキャベツを75個作った。

 いやあ、手伝ってくれる人がいるっていいですね!

 やり方を説明して時折確認をするだけだもん。

 もちろん手は一切抜かないけど、その余裕でミートソースも作れたし、クッキーも焼けた。良い事しかない!

 ───3人が化け物を見るような目で見るのだけは納得いかないです。

 僕が何故こんなに色々作っているかというと、佑那達が明日…ではなく今日の夕方、こちらに遊びに来たいと連絡があったからです。僕を心配して…と言っている割には友達3人と静留さんを伴って来ると。

 確実に食事目当てですやん?

 まあ、僕としてはそうやって事前に連絡をもらえたら嬉しいけど…

「女性の姿に戻って出迎えお願い」って何?

 僕男ですが?男の姿に戻れたって兄さんから聞いているよね?聞いててその台詞だとしたらちょおおおっとお話が必要かなぁ?

 具体的には4時間くらい。



「必死だねぇ」

「そりゃあ戦闘機3機が突然消えてしまったわけだし?もしかすると突然本拠地が襲撃される!?とか考えたら怖いよねぇ」

配信中の二柱の幼女神の周辺には問題を起こした国の基地及び国防総省、そして政権中枢に居る大統領の執務室の映像もも確り映し出されていた。


『小悪魔な笑顔助かる』

『小悪魔笑顔でしか癒せない病がある』

『女神様は今日もお綺麗です』

『怖いのが湧いているんだけど…』

『おっ?防衛省からのクレームがようやく届いた。けど一蹴w』

『何時間かかった挙句に無視かw』

『昔から情報遅滞戦術で俺らは知らないとか言っているんだよなぁ』

『ん?』

『ぅえ!?』

『神様後ろ後ろ!』


「えっ?」

「あ」

 ユグドラシルと祓戸の背後に突如天狗の仮面をつけたスーツ姿の人間が現れた。

「本気で怖いんだけど!?この神域、しかもスタジオは結界張っているのにスルッと入ってこないでくれるかなぁ!?」

「ああ、済まない。呼ばれたので来たのですが?」

「僕が呼びました!」

「事前に言って!?」

「はい!特別、特別ゲスト!一部の神から「天空の破壊神」「神を拒否した最終兵器」「もうこいつ一人で全てが終わらね?」「神々のアニキ」でお馴染みの白獅子の飼い主だ!以降白獅子ニキと呼ぶよ!」

「…一つ以外は初めて聞いたのですが?」

 白獅子ニキは少し呆れたように言う。

「邪神ではなく破壊神を呼ぶとは…」

「邪神にアポ取ったら巫女寄越せって言ったから本気で底の国にぶち込んで引き摺り回したから暫く復活しない」

「俺も始末しますか?」

「復活まで数百年かかるから無理かなぁ」


『邪神ザマァ』

『巫女様を寄越せなんて言ったら全ヘイトが向くと何故気づかない』

『だからお前はアホなのだ!』

『師ィ匠ォォ!?』


「…で?俺を呼んだ理由はなんです?」

「ええっとねぇ、とある神様からの依頼があって」

「どんな依頼を?」

「洗脳ってわからないくらいの誘導を一帯にかけられていた挙句、ダンジョンのヒトガタが数年前から紛れ込んでいたようなのでダイナミックお邪魔します方式でホワイトな官邸に乗り込んでトップをぶん殴って正気に戻してほしい。旧ゴールデン街の守護神…」


『天之御中主神様何やってんすかw』

『即バレ不可避w』

『お礼は後日一杯奢りますwww』

『旧って何!?』

『ゴールデン神何やってんッスか!www』


「…ふむ。要はホワイトハウスに直で乗り込んで大統領をぶん殴って正気に戻し、序でにダンジョンのヒトガタをぶちのめせと」

「言い方ぁ!僕らでさえオブラートに包んだのに!」

「しょうがないよね。兄者だもん…」


『アニキカッケェ!』

『オブラートを失った正義の神w』

『でも神様が下界に行けるの?天之御中主神様以外で』

『白獅子けし掛けるとか?』


「…では、依頼を遂行する」

 そう言って白獅子ニキは姿を消した。

「さあさあ!カメラを四面上空、全体、執務室そしてすぐに移動できるよう切り替え…上ええっ!?」

 上空から何かがものすごい勢いで執務室へと落下した。


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