290話 2dayPM5~お土産とポテサラマヨ
部長がチョコレートやマカロン、サブレなど結構大量に出してきた。
「何故こんなに買った?」
「…貰ったのよ」
「ええっ?」
「多すぎませんか?」
テーブルの上は面積的に和菓子と洋菓子で二分されている。
いや、洋菓子六割かなぁ…もっとかなぁ…というレベルだ。
「空港で色々あって人助けをしたらお店の人とかから大量にね…」
「いやしかしなぁ…」
「これは無いですよねぇ…」
課長と巽さんがドン引きしている。
───うん。僕も驚いている。
テーブルの上3~40cmの高さまで積み上がっている。
「ありがとうございます。神様方も喜ばれるかと思います」
「岩崎君も食べて欲しいな」
「では、各一つずつ戴きます。ありがとうございます」
僕はそれぞれ一つ取ってお礼をいう。と、内線が鳴った。
「はい。岩崎です」
『あのぉ…食堂からなんですが、ポテサラマヨが欲しいとの事なんですが…』
「了解。すぐ作ってボックスに入れますね」
『お願いします』
電話を切り、軽く目を瞑る。
「ポテサラマヨ…よし」
ジャガイモ、人参、キュウリ、タマネギ、卵、トウモロコシを取り出す。
卵を固ゆでに、ジャガイモも茹でる。
作り置きも出来るのでまとめて作る。
「大丈夫か?」
「うん。時短するので大丈夫です」
人参は薄い半月切り。キュウリを薄い小口切りに、タマネギは薄切りにする。
ゆで卵と茹でジャガイモ、トウモロコシをレンジを使った時短で作る。
ジャガイモの皮を剥いて軽く潰し、塩を振って混ぜ、次に黒胡椒も少し加えて混ぜる。
少し粗めに混ぜたジャガイモの熱がある程度取れたらゆで卵を手で千切りながら混ぜ入れる。
トウモロコシは素早く包丁で削り取って人参、キュウリ、タマネギと混ぜ合わせてマヨネーズと黒胡椒を入れ、更にゴロゴロ感が残るように混ぜ切る。
そして出来上がったモノをボウルごとボックスに入れる。
内線で食堂にコールを掛けるとさっき電話をしてきたロアステーアさんが電話を取ってくれた。
「今ボックスに入っていると思いますが、ベーコンを切って入れたりトマトを入れるのは好き好きでお願いしますね。あと胡椒も好みで入れるようお願いしてください」
『ありがとうございます!』
本当に助かった!という感謝の籠もったお礼をされてしまう。
「では頑張ってください」
受話器を置いて一息吐く。
「…本気で雑な作りをしてしまった…」
「いや、迷い無くレシピの組み立てと調理をこなせる時点で凄いと思うぞ?」
「いえ、流石に料理を作っている人にはとても…」
「姫様は料理人を何処まで凄い人だと思っているんですか…」
もの凄く呆れた感じで巽さんに言われてしまった。
机の上のお土産を全部収納し、モンブランをお茶菓子として出す。
「岩崎は現状は?」
「まったく分かりません。戦闘機が~というのは課長から」
「だよなぁ…現在大国三カ国が神敵に指定されている」
「何をしたらそうなるんですか…」
「あとは職業のスキルを適当に使っていた連中はもれなく使えなくなっている」
「ぅえ!?」
「まあ、そこら辺は神様に聞いてくれ。それと、政府は記者会見で岩崎の冤罪について結構強めに抗議をしていた。あと、防衛省から「我々が神々や巫女様に対して攻撃の意図が無い旨だけでも伝えて欲しい」とさ」
「まあ、うん。ソレは分かりますけど…僕はそのまま謹慎するつもりです」
「何故?」
「多分、僕に託けて何かやりたいんだと思うんですよ」
「───何か聞いているのか?」
「僕、今ひたすらご飯作っています。それ以外何もやっていませんし、情報入ってこないです」
「あ、何かスマン…」
「!!!?」
あ、部長がモンブラン食べて悶絶している。
「まあ、謹慎期間内でも神様方が「OK」って言ってくだされば出ますので」
「そうか…その時は連絡を入れて欲しい」
「姫様。何か買い出しがある際は私に連絡を」
「うん。巽さんにお願いしますね」
課長と巽さんはモンブランを食べ…同じように悶絶した。
───体に悪いモノは入っていませんからね!?
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