288話 2dayPM3~質素ご飯とシフォンケーキ。あと課長側
さて、今日の夕飯の準備だけど…本気で野菜関連中心献立にしないと危険だ。
穀物類は多少は消費出来ているから良いけど…いや、多分消費が圧倒的に追いついていない。
まあいいや。
さてさて…茄子のお味噌汁と、鮎ご飯。それと…タケノコガーリックステーキ、あとはキクラゲの和え物。
うん。材料はまあ、豪華で質素。
これとほぼ同時並行でシフォンケーキを作る。
20cm型をを四個。
───うん。無理。
同時並行でシフォンケーキの下準備が限界だ。
さあ、気合い入れて作るぞー!
SIDE:藤岡課長
「あの連中、とんでもない事を!」
正直神々のことよりも岩崎の方が大切だ。
幾ら神域…いや、ダンジョンをベースにした神域マンションといえど、絶対は無いだろう。
万が一が怖い。
「巽、中務省には?」
「現在確認依頼をしております」
「防衛省からの緊急連絡も結局間に合っていなかったが…空軍からの緊急リークで動いた以上、今回は…」
「課長!統合情報部の佐々木様よりお電話です」
「分かった。───藤岡です」
『戦闘機が巫女様のマンション付近で消失した』
突然に切り出しに私の目尻がピクリと引きつった。
「消失?」
『ええ。一瞬で三機が消失した。撃墜などでは無く消失だ。これは監視武官が目視で確認している』
「恐らくは時空神があのビル一帯に特殊な条件付け空間を展開しているのだろうな」
『時空神?』
「常駐しているらしい。あのマンション内は神域という名の魔境だぞ?神がフロアを普通に歩いている」
『………そんなところに喧嘩を売ったのか』
「どうする?同盟国」
『その同盟国が牙を剥いてきているんだ。緊急防備態勢になっているよ。翼竜襲来の件で殺気立っていたのに…』
「で?こちらに何をして欲しいんだ?」
『巫女様に繋ぎを』
「無理だ。謹慎中で今回の連絡すらすぐに切られた」
『───我々が神々や巫女様に対して攻撃の意図が無い旨だけでも伝えて戴きたい…』
「あー…分かった。知り合いの誼だ。帰りに寄って伝える」
『今すぐにではなく!?』
「早退させる気か?それにお前からだけでは無く他からも連絡があるだろうからな」
チラリと巽を見る。
険しい表情で電話に出ている。
あの表情は岩崎関連だろう。
「それに今私もあのマンションに住んでいるんでな」
『はあっ!?』
おーおー切羽詰まっているんだな。
冷静さを失っているな。
「優子とルームシェアだ。奴はもうそろそろ帰ってくるだろうが…」
『何ソレ狡い!』
「知るか。で?もっと情報を寄越せ」
『───先程官房長官が記者会見を開いた。冤罪情報についてと、巫女様誘拐未遂事件について、あと無神経な情報拡散の結果現状が起きているという苦情をストレートに伝えられた』
「…漸くか」
『本当は数時間前にやる予定だったようだけど、何故かメディアが集まるのが遅かったのよ』
「あー……多分みこチャンネルのせいだな」
『えっ?』
「今、確認したんだが、愉快な状況だぞ?上の連中と一緒に見てみろ」
そう言って電話を切る。
「課長」
「お前の所も繋ぎを取れと言ってきたか?」
「はい」
その苦い顔は家からだろう?
「昨日、和菓子を渡し忘れているんだ。一緒に行かないか?」
「………はい。少し自腹でお酒も買って伺いましょう」
ははっ、苦労が絶えないな。
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