283話 2dayAM~邪神降臨(ただし働いたら敗北だと思っている)
マンション神域に出て朝食の準備をする。
「セーーーーーーーーーーフッス!」
タイムさんが何かを担いで転移してきた。
「おはようタイムさん。えっと…その子は?」
担いでいるモノは幼女、いや、ようι゛ょだった。
「あ、連れてきたんだね!」
「つれてこられましたー」
「ようこそ!此処で癒やされたら良いよ!邪神でも君なら歓迎だよ!」
「おー…寝かせて?」
「あの、朝ご飯なんですけど…」
「寝かせて?食事は10日に一回、水をコップ一杯飲めば済むから…」
「ボス…とうとうそこまで省エネ化を…」
えっ?ボス?って…ザルカンという世界の、主神?
「お前がいなくなって皆好き好きに暴れるんだぞー」
「前からじゃないッスか」
「悪化したんだよー」
「ボスが動かないの分かっているからッスよね?」
「働くこと、即ち敗北だからやらない。ああ、敗北はいやだ…」
「………なんでここまで拗らせているんッスか…」
「えっと、お味噌汁も、スープもありますよ?」
「ボス。食べたら色々破壊されるッスよ?もうガンギマリでビンビンッス」
「……言葉の意味は分からないけど、凄そうだ…じゃあ、スープだけ」
「食べ終わったら一緒にリラックスルーム行こうよ!」
「おー…癒やせるならいくぜー」
……いや、本当に大丈夫なの?この幼女さん…
「ご自由にお取りくださいという事で…あ、ただし、厚焼き卵は完全数量限定ですので!奪い合い無しでお願いします!」
幼女以外の全員の目が光った。
「では、戴きます」
直後、ラグナロクが始まった。
時空が歪み、箸と箸がぶつかる。
ただ、全員綺麗な所作で食べてはいる。意味が分からない。
「無駄に洗練された無駄の無い無駄な動きだなぁ…」
僕は凄まじい神気からロアステーアさんを守りながらのんびり見守る。
諦めたとも言う。
だって、マイヤも参戦しているから。
あー…厚焼き卵目当てかぁ…
「………なにこれこわい」
ちょっと女子ぃ~…邪幼女神様怯えていますよ~
タイムさんですらこの戦いに参戦しているからなぁ…なーんも言えねぇ…
こんな状態でも、食事は進んでいるという…
邪幼女神様はおっかなびっくりゴボウと人参の味噌汁をスプーンで掬って一口。
「………」
少し驚いた顔をして、お味噌汁をジッと見た後、もう一口。
具の人参を食べてその甘さに目を輝かせてお味噌汁を確り飲み始めた。
タイムさんタイムさん。邪幼女神様にトウモロコシの混ぜご飯をソッと出すのです!
僕の心の指示が通じたのか、タイムさんが小皿にトウモロコシの混ぜご飯を装って渡す。
ソレを一口食べて満面の笑みを浮かべた。
───タイムさん。念願への第一歩が叶ったね。
…此処で気付いた。一番お行儀が良い神様は、邪幼女神様だという事に…
と言うか、毎度のことなんですけど、朝食で何人分食べるんですか…
大年神様分、本気で一人前だけですよ?
妹の方はリゾットを食べ始めた…ご飯物は3杯目である。
まあ、美味しくないからと残されるよりは良いんですけどね…
食後のコーヒーでも作っておこうかな…
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