282話 2dayAM(深夜)~Mont-Blanc(収穫から)

 なんか夢の中で変な二人組に『栗も、サツマイモも両者手を取り合えるケーキを作るのです』と言われて目が覚めた。

 時刻は午前3時。

 ───うん。箱庭神域に行って、栗を探してこよう。

『パパ?おねむの時間だよ?』

 神域に入るとマイヤが飛んできた。

「うん。目が覚めちゃったから朝ご飯の準備前に果物と栗を探しにね」

『マイヤも行く!』

「うん。一緒に行こうか」

 と言うことで、マイヤとお供の白獅子1頭で森へと入った。

『栗さんイガイガ栗さんイガイガ~』

「マイヤは栗さん分かるんだね」

『うんっ!イガイガのお洋服着ているんだよね?』

「イガイガの所をお洋服と言うのか鎧というのか…中の堅い果実部分もあるからね…」

『じゃあイガイガは鎧でカチカチはお洋服?』

「うーん…実物を見て考えよっか」

『うんっ!』

「たくさんあるかなぁ…たくさんあると良いなぁ…」


 たくさんありすぎました。

 駄目だね、無理言っちゃ。

「栗さんありがとう。そしてごめんなさい」

 一面裂開した毬殻斗で埋め尽くされている。

『栗さんたくさん!』

「うん。たくさんだね。食べるのはこの部分だから…」

「ガウッ」

 ん?

 白獅子がシャクシャクと毬殻斗を食べている。

「ちょっ!?大丈夫!?痛くない!?」

『美味しいって!』

「ぇえー?」

「ガウゥ」

『中のモノは渋くてそんなに美味しくないって』

「…あー…うん。渋皮とかねぇ…」

 いやいや。中身より外が硬くて苦いのでは?

 そんな事を思いながらも落ちている栗を毬殻斗ごと収納していく。

『イガイガはこの子達のおやつ?』

「食べたいならおやつでも良いかもね」

「ガウッ!」

 マジかー…おやつで良いんだ…

 十キロ以上ありそうな量を拾い、近くにあった梨と林檎を数種類取って屋敷に戻った。


 屋敷に戻って空間操作を駆使して毬殻斗を分ける。

『パパ!イガイガ頂戴!』

「全部?」

『うんっ!』

 マイヤがプライベートボックスを開いたのでそこに毬殻斗を全て入れる。

『パパありがとう!』

 マイヤが大はしゃぎで外に飛んでいった。

 僕は残りの鬼皮と渋皮を空間操作で除去する。

 そしてアクを抑えるためにすぐにたっぷりの水を張った大鍋の中に剥いた栗を入れる。

 確か暫く水にさらしておいてクチナシを入れて色づけだったっけ。

 よし。今のうちにご飯を炊こう。

 同時にカボチャのリゾットも作っておこう。

 ───何故だろう。なんか、いつもの1.5倍は作らないといけない気がしている。

 和食とイタリアンのご飯を作るぞ!

 はい!今回は


 ・茄子と法蓮草のお浸し

 ・神域卵DE厚焼き卵

 ・高野豆腐の煮物

 ・きんぴらごぼう

 ・トウモロコシの混ぜご飯(3升)

 ・ゴボウと人参の味噌汁


 ・カボチャのリゾット

 ・ざく切りトマトと卵とじスープ

 ・ジャガイモとベーコンの照り焼き

 ・トマトとブロッコリーのサラダ


 ……疲れた。むっちゃ疲れた。

 おっと、栗の下処理の続きをしなきゃ。

 水を入れ替えてクチナシの実を割って…軽く一煮立ち。

 軽く沸騰し始めたら弱火にして栗に確り火が通るまで2~30分程度待つ。

 時間は…おっと、6時になりそうだ。

 白獅子達用に茹でたトウモロコシも準備完了しているし…さて、朝ご飯の時間だ!


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る