171話 包囲~本家?vs超権力(開幕メギ〇ラオンでございます)

 駅を出た所で十数人の人に囲まれた。

 武装陰陽師コス集団…そう言いたくなるくらい似合わない烏帽子集団に。

 いや、この人達が特に駄目なだけだと思います。

 だって普段から着ていないの丸わかりですよ?

【せお:今回の件、中務省にはクレーム入れたから!滋賀や奈良なら僕の社に招待するつもりだったのに…】

 ここでまさかのせお姉様アタック。中務省は死ぬ。

 おっと、糾弾らしきものが始まったけど…往来で?本当にあなた方こちらにお住みの方々ですか?

 言っていることも結構無茶苦茶ですよ?

 典型的な歴史ある家柄だけをアピールして、急にここへ来るなどとどうのこうの…と。あと金銭要求。

 あ、電話が鳴ってる。

 よりにもよって一番騒いでいた人の電話…ぶつぶつ言いながら電話を取って、急に柔らかい言葉!?裏表すごいなぁ…

「岩崎。小腹が空いただろ?一切れどうだ?」

[ヒレカツサンド!ありがとうございます…って、課長。いつの間に買ったんですか?]

「今だが?パッと行って買ってきた」

「なんという縮地の無駄遣い」

「部長は要らないようですね」

「それは酷くない?」

 あ。相手側がガクブルし出した。

「いや…なんかキモいな」

「本当に…こっち見てあっ、あっあっ…て本当に気持ち悪い」

[気持ちはわかりますが、言い方…]

「誤魔化しの効かない気持ち悪さだからなぁ…あれは」

「ああ、周りもガクブルし始めたぞ?」

[僕たち、何しにここにきたんでしょうね…]

「本当にな…視察予定は中務から京都御所及び伏見稲荷大社と八坂神社、上賀茂神社及び下鴨神社…となっているんだけど」

「自由散策というわけでもないと…岩崎、どうした?」

[伏見稲荷大社はちょっと…]

「問題でもあるの?」

「……了解だ。位置関係から見てもそこ抜きで回ろう」

 でもまだなんか嫌な予感がするんですよねぇ…

「もしかして、神様案件か?」

「えっ!?」

「こういった場合は恐らく神様が関わっているはず…そうだな?」

[はい…何か揉めそうな予感が…]

「誰だ。どこだ?」

[なんとなくなんですが…八坂神社も揉めそうな気がします]

「「───ああ、素戔嗚尊神かぁ…」」

[あ、なんとなく理解したっぽい]

「誰の意図かなんとなく分かるな…」

「伊邪那美様を呼べる岩崎君を呼んだのでしょうね」

[うーん…まずはお土産を買いに行っても良いですか?]

「えっ?何を買うの?」

[お酒です。大量にストックしておかないと、みんな呑兵衛なので…]

「あ、だったらすぐそこにあるけど…行ってみる?」

[はい!]

「おーい。巽。近くの酒屋行って神様向けの酒買ってくるからそっちの対処は任せた」

 課長の雑な説明に巽さんが「えっ?」ってなっている。

 そしてコスプレ集団も「えっ!?」ってなっていた。

 あ、ここはメイドモードになっていないと…

 モードチェンジをして部長オススメの酒店へと向かう。



「……何というか…凄いな」

「まさか40本あまりも買うなんて…」

[一升瓶12種各3本で42本ですよ。いえ、下手すると足りない気がします]

「「まだたりないと!?」」

[はい。大物主神様の時もそうでしたが、無茶苦茶無茶振りしてくるので、買える時に買っておかないと…金遣い、荒くなっちゃってるよ…]

「まあ、道反対側少し歩いた所にもあるから…」

[行きましょう。本当に全然足りない可能性があって怖いので。具体的にはあと2~30万円分ほど]

「「………ぇえー?」」

[洋酒等があったら更に上積みしなきゃいけないんですからね?心配ないと思いたいですが、口座残高が不安です]

「いや、間違いなく大丈夫だから」

「少なくとも店ごと買い取っても問題無い金額がさっき支払ったカードの紐付け先には入っているからな?」

[大物主神様みたいにいきなり200万円分買ってこいとか言われたら嫌なので、やっぱり買い足します]

「「なん、だと…?」」

 あ、お二人とも劇画調になった。


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