170話 到着~お神のご威光は洒落にならない
新幹線でかっ飛ばして二時間ちょいで京都に着きました。
11時半にもなっていない…
そして現在四人とも異空間に居ます。
最近の京都駅は異空間完備かぁ…
『禁を破ったな?石上の流れを受けし者よ』
龍さんが威厳たっぷりの声で此方を睨み付けてきています。
「此方は神々よりの指示で動いています。人程度の決まりで縛れるのでしょうか?」
『神とな?…馬鹿馬鹿しい。神々が貴様なんぞに命を下すか!』
おっと、ご立腹ですね…威圧以上に煩いです。
「大丈夫か?斬るか?」
[大丈夫ですし斬らないでください。課長の一刀だったら本気で斬れそうで怖いんですから…]
「なら私が封じようか?」
[部長、聖獣クラス封じることが出来るんですか?]
「ええ。大聖女の次の特殊クラス、女教皇には特殊スキルがあるのよ?」
[わぁ…僕は慈母ですけど…特殊クラスって、何か良いですね]
『…巽の。こいつらは何なんだ?』
「姫様とご一行です。少なくとも各単体で一軍と戦える方々ですからね?」
『……そこの女性二人はそうだろうがあの幸薄そうな女は違うだろ』
「は?(ガチトーン)姫様が一番偉大なんですが?今のは暴言と捉えても?発言は撤回させませんよ?」
『今のオマエの方が怖いわ!…で、神の命という証拠は?』
[あ、僕持ってます。お母さんからです]
『おかあ…っぐうううっ!?』
「「っとお…」」
「ッ……流石に、張り切りすぎでは…」
管理職お二方は警戒していただけにほぼノーリアクション。巽さんは流石に耐えはしたけど一瞬屈しかけた。
[気合い入れた一筆って凄いなぁ…]
「「「いや、凄いで流せるレベルでは無い」」」
『上位神…しかもこれは国産みの…っ!』
あと出せる許可証ってせお姉様くらいしか無いですけど…
「姫様?祓戸様からも戴いたのですか?」
[なんか伊邪那美お母さんが気合い入れはじめたから興味本位で参加したって…]
巽さんとそんな話をしながらせお姉様の手紙も龍さんに渡す。
「本当に自由な方だ…」
「……ねえ、私達はフリーダムな神々に振り回されているの?」
「そのフリーダムさは岩崎にのみ向けられているので問題は無い…はずです」
「はず。かぁ…良い言葉だなぁ」
『……………伊邪那美様及び祓戸様直筆と言うことは分かった。今後貴殿等四名は我等の関連する全ての結界を通過しても一切何も言わぬ』
[ありがとうございます!]
『他の者達には私から伝えておくが、本家の連中にはそちらから伝えてくれ。奴等この百数十年供物を寄越すだけで意思の疎通が出来ぬ』
[あー…ここにも邪魔が入っているんですね…]
『何?』
[神託などを阻害する術式が斎場や祭文に入れられているそうで、この数百年神様と人との交流がほとんど出来ていないそうです]
『何と…それでは他家との縁が途切れているのも…』
[恐らくはその邪魔のせいでいなくなってしまったと勘違いされたのかも知れません]
『おのれ…我等の守護をすり抜け乱す者がいるとは…礼を言う。その情報は万金に値する』
[いえいえ]
『ふむ…万金だけに、金銀財宝と我の鱗をやろう』
そう言うと龍さんは千両箱とサンゴ、そして龍の鱗を僕達の前に出してくれた。
あ、じゃあ僕からはこれを…
プライベートバッグから奈良で売られている龍の名を冠した日本酒を差し出す。
『おお!おお!感謝する!ここ数十年妙な匂いのする安酒しか呑んでおらんのでな』
そう言いながら嬉しそうに消えていった。
あ、急いで宝物回収しないと…
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます