162話 作戦~歌って踊るだけが作戦じゃない?
「姫様の学習能力高すぎません?すぐに歌って踊れた…どころかモノにしてませんか!?」
[えっ?だって皆のお願いだし、全力で覚えたよ!?運動神経がほとんどないからこのレベルしか出来ないけど…]
「神秘的で良い感じですよ!ただ、少し歌の音階が違っていたような」
[あ、そこはせお姉様がそうして欲しいって]
「えっ?」
[術式として起動させるために言霊とあわせるとトリガーになるんだって]
「言霊による祝詞、ですか」
[そう。祓い浄め、そして歌い終わったら最後に祓い詞を入れる。これである程度は邪気払いが出来ると思うんだけど、もう一手欲しいなぁって]
「既にオーバーキルだと思うんですが」
[でも動画で見た時に、その先のモノには効かないかも知れないよ?]
「…まあ、そうですね」
[リアルタイムでは最大効果だとしたら…うーん]
「さっきのやつは?」
[せお姉様。良いの?]
「大弊は君用に作ったんだよ?」
[ありがとうございます]
「でももう一押し…何か欲しい…」
[祈念珠はどうですか?]
「うーん……時間ある?」
[何か思いついたのですか?]
「樹神殿。少しお願いが…」
「了承」
[まだなにも聞いてませんよね!?]
「世界樹の雫を球体にしてそのまま時間停止。これでしょ?」
「ありがとうございますっ!」
[……なんで知ってるのさ…打ち合わせ?]
「「うんっ」」
[僕揶揄って遊んでるぅ……]
「これに僕の力を入れて…あとは前回同様お願いね?」
そう言ってうっすらと光る水球を僕に手渡してきた。
[…ちょっとフロアで行いますね?]
「何をするの?」
[フロアで祓戸社を出します]
「えっ?」
[そして三種の大祓をし、ひふみ祝詞を行います]
「「「…………」」」
[どうでしょうか?]
「「100%神器になる」」
「姫様…常識さんを連れ戻そうと思うのですが、どちらに置いてきたのでしょうか…」
「多分伊邪那美様が連れ去ったのかなぁ…」
「ゆーちゃんの常識さんはずっと見ていないような…」
皆酷くないですか!?
「「………待って。これ、かなり危険物なんだけど!?」」
「…………」
「ほら!瀕死だよ!?早くしまって!早く!」
[あ、はい。そんなに言うほど凄くは……]
「僕でもキツいんだからね!?」
えっ!?
「…ゆーちゃん。あのブースの中で取り出して鑑定してみて?」
[分かりました…]
ブースに入って水球を取り出し、鑑定をしてみる。
【十二神球】上界神器。世界樹の雫百年分と樹神、水神及び十神の力を凝縮した
危険物。発動させずとも高濃度の神威を百年は発する。
一度発動させると10年分の神威を開放し国家鎮護の破邪魔滅を行う。ただし、発動の際にこの水球に触れていた者は中級神以下は耐えきれず霧散する。
物騒だった。超物騒だった。
破邪魔滅の範囲が国?国家鎮護?いや、それよりも上界神器って何?
「どれだけトンデモナイか分かった?」
[僕が犯人ではないことが分かりましたー!]
「「何で!?」」
[これ、いっそのことこのマンション内に祭壇作って安置しませんか?周辺厳重にして…って、巽さん何をしているんですか?]
「…録画終了。少し実験を…転送もOKですね。それが画面越しに御利益あるか確認です。ないわけがないと断言出来ますが」
「だよねぇ…」
「ゆーちゃん。それ早くしまって?」
皆酷い…
─────アナウンス─────
2023年9月24日12:00に三兄妹の妹、佑那のお話しUPしました。
佑那好奇録〜チートな長兄と無自覚チートな次兄を持った私の記録
とりあえず導入部分UPです!
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