161話 復活~数千年は数日?

 大変な事になってしまいました…

「っえ…えっ?」

 そこに居た全員が何事かと固まっていました。

 これ、うん…とりあえず、良かった。

「ああ…動く。痛みが、傷が、ああああああああっっ!」

 大宜都比売神様が泣いている。

 もうさっきのような白い光はない。

 大宜都比売神様完全復活。しちゃいました…


 やったことは奉納神楽として覚え立ての歌と舞を踊り、大幣を持って大宜都比売神様の四方を祓って回ったら、大幣が黒くなって現在に至る。

 ちなみに、この大幣はゆる姉様とせお姉様合作とのこと。

 いや絶対これが原因です。

[何やらかしたん?お二方]

「世界樹の枝に祓済みの麻神垂を付けただけだよ!?一応5つ作ったんだけど…」

 鑑定してませんでしたね…


【界大幣】:生命の象徴に無垢な麻布を紙にし、二種の幣を一つにした。神具。

 音を立てて祓うと諸々の邪を払い、音を立てずに祓うと諸々の罪穢れを紙垂に移り、限界を迎えると黒く変色し、消滅する。


[───とうとう神具、来ちゃいましたけど?まあ、神様が作ったので神具というのは正しいですが…]

「神だからって神具をホイホイ作れるって思わないでね!?」

 えっ?

「…まあ、今回は結果良しと言うことで」

[そうですね…そうかぁ?]

「そ・う・い・う・こ・と・で!」

[───わかりました。で、どうでした?]

「神聖な雰囲気出ててグッド!雰囲気じゃなくて思いっきり神気放出していたけど!」

 …えっ?

「まあ、映像はあのカメラが撮っているからあとで解析するけど…とりあえず僕達はリビングに戻ろう」

[そうですね…]

 僕達は伊邪那美お母さんと大宜都比売神様を部屋に残し、リビングへと戻った。


「皆様方?」

 巽さんが少し不思議そうな顔で僕達を見る。

「トンデモナイモノを見てしまって呆然としちゃってる?」

「だねぇ…」

 ゆる姉様とせお姉様が顔を見合わせて苦笑する。

「えっと…姫様?」

[僕がやらかしたわけじゃないからね!?]

「「いやぁ…どちらかというとあれがトリガーだと思うよ」」

[息ピッタリなんですけど!?]

「流石は姫様という事で…」

[まあ、良い事だから…]

「えっ?やはり姫様が偉業を?」

「あー…確かに偉業と言えば偉業だねぇ」

「成し遂げていない事だったから偉業だね!」

[お二人のアレがメインですからね!?]

「うん。そこは否定しないでおく」

「聞きたい?」

「はい。姫様の偉業であれば!」

「大宜都比売神を復活させた」

「……………………は?っええええええええっ!?」

「まあ、そんな反応だよね」

「良かった良かった。僕達も聞いただけだったらそんな反応だよね。きっと」

「しかし大宜都比売神様は確か斬られて…」

「伊邪那美様が自国で預かっていたんだけど、彼女自身が特殊で黄泉つ竈食をしていないから」

「カウントされていない状態で伊邪那美様が保護していたと言うことですか…」

「そしてここで癒やすことを選択して数日。まさか…ねぇ…?三段階の回復で完治ではないけど、復活レベルとか…」

「ゆーちゃんへ癒神の称号を申請しておこうかなぁ…この世界のランクだったら称号くらいなら権限でどうにでもなるけど、他の神にも知って欲しいし!」

「大樹様…位階ではなく称号ですか…良いですね!僕も申請人署名します!」

 やめてください!良く分かりませんが、大事はやめてくださいっ!


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