149話 判明~神様ネットワークは基本お酒で繋がる
[何か確認する手段があれば良いんですけど…]
そう呟く僕にせお姉様は「あー…」と少し苦い顔をする。
[えっ?どうかしたんですか?]
「えっとね…最近お酒買っているけど横から結構減っているでしょ?」
[そう、ですね…でもありますよね?]
「………」
[えっ?流石に今回の200万円分に関しては違いますけど、それでも結構買いましたよ!?]
せお姉様、もの凄く言いにくそうな顔をしている?
「実は…」
「私の指示で他国の神に確認を取る際にお土産としてお酒を持たせているのですよ」
[伊邪那美お母さん?]
お茶を飲み、一息吐いた伊邪那美お母さんが此方を見る。
[今回の件以前から、ですか?]
「ウェスタ殿が回復してから、です。彼女が現在欧州方面で唯一の窓口ですから」
[あれ?ゆる姉様やミツルギ姉様は?]
「あのお二方は救出のために一度は行ったらしいですが…身の程を知らない上から目線なセクハラ発言をされたらしく…ボッコボコにしたらしいのです」
[そういえば前に強制送還云々の話があったような…?]
「流石に格の違いを理解したあとはそのような事はないとのことでしたが、今度は行っても逃げ惑うらしく…」
どっちに転んでも悪いようにしかならないって…
「絶句するのも無理はありません…私も話を伺った時は同じ反応でした」
[僕の反応が異常って訳じゃなくて良かった…でも、神話のお話しだと、確かにそういった感じ多いかなぁ…上を叩かれると下が右往左往するとか…数千年経っても指揮系統ダメってどうなんだろう…]
「…うちの子が辛辣ですが、核心突いてきますね…」
[でも、配るほどは流石に買っていないけど…]
「一神一本で十分です」
あ、はい…
「本当はあんなロクデモナイ連中にうちの子が選んだものや作った物を渡すなんて論外なんです。うちの神々も大半は同じレベルの神ですから傲慢な振る舞いしたらぜっっっっったいに許しません。神社ごと滅します」
[お母さん抑えて抑えて…せお姉様が震えてるから…]
「ああ、ごめんなさいね?つい」
[もう、お母さん過保護なんだから…]
「いや、今の過保護どころの話じゃないんだけど…もしかして変な男が近付いたら…」
「始末ものですね」
[そもそも僕男だから変な男の人に好かれるのはいやなんですが…]
「……ただいま戻りましたぁ…」
[お帰りなさいウェスタ様]
「うううう…」
フラフラと僕に抱きつくウェスタ様。
なんだか凄くお疲れモードなんですが?お夕飯食べてすぐに出たとして…2、3時間しか経っていないのに…
「もう実家やだぁ…あんな傲慢不遜になって…」
[あー…よしよし。ウェスタ様は頑張っていますよ。だってまだ動き回って交渉や情報収集出来るほど元気なんですから…]
「そうですけど…ろくに動けないのに「ワインをすべて寄越せ」とか「巫女はどうした、アレが居れば我等は再び栄光を取り戻せる」とか酷いんです!」
「「は?」」
あ、お母さんとせお姉様のスイッチが入っちゃった…
「今からソイツを殴りに行こうか…」
「あちらは人数多くても死に体。僕達の敵ではない…根の国、いや底の国で引きずり回して削ってしまおうか…」
[せお姉様がお母さんより過激になってる!?別の神格が出てるから!]
「……ああ、ごめんね。いやな想像してしまって怒りが…」
…考えてみれば、黄泉の国に平然と行けるせお姉様って速佐須良比咩神様の権能があるからだった…
「大丈夫です!私が殴っておきました!聖火を物質化して!」
「「おお!やるぅ!」」
いや、それマズイですよね!?
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