150話 鳴動~何度目かの突撃を受ける。
翌朝、パンケーキとコーヒーセットと鮭とご飯、お味噌汁と白菜のお新香セットを各12人前用意し、ついでに具だくさんおにぎりも20個用意する。
ウェスタ様がパンケーキ作ったんですけど、何故その本神が和食セット食べてるのかなぁ!?
…まあ、それはそれで、具だくさんおにぎりは僕と巽さんの分、あと課長の分の三つを用意した。
[では行ってきます]
「いってらっしゃーい!」
ゆる姉様に見送られ、僕は神域を出る。
「姫様…おはようございます」
[おはようございます巽さん。ちょっと僕の部屋行こうか]
「っえ!?」
[いや、眠ってないですよね?]
「寝ました」
[寝てないですよね?]
「寝ました」
[巽さん?]
「…ね、ました」
[30分で良いから、僕と一緒に、寝よ?]
「…」
いや、いきなり手を引いて僕の部屋に向かわれても、僕がロック解除しないと入れませんよ?
~~姫様膝枕りらくぜーしょん中~~
「ひめしゃましゅごい…」
[はいはい。膝枕しながら頭を撫でて聖光と慈母の癒やしフルセットしただけじゃないですか]
「一晩グッスリ寝た時も、こんな爽快感ないです…」
[少し汗かいていましたので浄化クリーニングもバッチリです]
「…えっ?」
?
「あ、いえ…はいぃ…」
[??あ、あとこれ]
「えっ?」
[おにぎりです。恐らく巽さんのことですから栄養補助食品と栄養ドリンクで朝食を済ませていますよね?]
「……はい」
[なのでどうぞ]
「ありがとうございます…」
[無理をさせている側ですが、猶予はあるのですから詰めないでくださいね?]
「無理をしているつもりはないのですが…」
[でもほとんど眠っていない挙げ句フラフラしているでしょ?]
「頑張りが足りないなぁ、と」
巽さんがブラック体質に…
聞けば巽さんはあの後祈念珠を中務省に届け、一つを持って都内の神社を回っていたらしい。
いや、24時間フル勤務状態の中務省が一番ブラックだと思うんですが…2交代?労基何してるの!?
「私だけではなく、あの祈念珠を持って職員がその日のうちに6エリアに移動しております。神社庁から危険と判断された神社の対応ですね。そして二つはダンジョン対策本部と怪異等調査委員会に。二つは対ダンジョン殲滅部隊に回しました」
[こう見ると全然足りないんだね…]
「絶対に追加しないでください。他国も欲しがるはずなので、3~5以内で対応するようにお願いします」
[えっ?]
「およそ160カ国から要求があった場合、どうなさるおつもりで?」
[国数減ってません?]
「この数年で20カ国ほど減って…合併しています」
[そんなに…]
駐車場に車が滑り込む。
「姫様、どうぞ」
[ありがとうございます]
「お見えになったぞ!」
「巫女様!巫女姫様ぁ!」
え?何事?
「チッ!警備隊防盾用意!」
巽さんの大音声と共に建物からポリカーボネートの盾を持った警備員と何故か強行班が飛び出してきた。
「さあ、急ぎましょう」
まあ、中に入って聞きます。
少し早足で協会内部に入る。
───何だったんだろう…若い人もいたけど、お年寄りも多かったような…
IDを通して入館し、自ブースへと入る。
「あら、いっちゃんおはよう」
[西脇さん。おはようございます]
「朝から大変ねぇ…」
西脇さんの哀れみの籠もった目に僕は首をかしげる。
[何があったんですか?]
「あら?聞いてない?」
[はい。中に入ってから聞こうと思って]
「あー…じゃあ、会議室で聞いた方が良いわね」
[えっ?そのレベルの話なんですか?]
「ええ。完全に巻き込み事故を受けているわよ?」
えええええ?
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